東新宿の内科 新宿イーストサイドたけうち内科 Rotating Header Image

Author Archives: takeuchi

感染症シリーズ インフルエンザ検査は、発熱してすぐでも分かる?|陰性でも安心できない理由

感染症シリーズ

インフルエンザ検査は、発熱してすぐでも分かる?|陰性でも安心できない理由

「熱が出たばかりですが、今日検査できますか?」

発熱外来で、よくいただく質問です。

朝から喉に違和感があり、午後になって急に発熱した。

家族や職場にインフルエンザの人がいる。

関節痛や悪寒が強く、インフルエンザではないかと心配している。

このような場合、

「すぐ検査を受けた方がよいのか」

「翌日まで待った方が正確なのか」

迷う方も多いと思います。

結論から申し上げると、インフルエンザ検査は発熱直後でも受けられますが、発症して間もない時期には、感染していても陰性になることがあります。

検査結果だけでなく、症状、発症からの時間、周囲の流行状況を一緒に考えることが大切です。


インフルエンザ迅速検査は、何を調べているのでしょうか?

一般的なインフルエンザ迅速検査では、鼻の奥などから採取した検体を使って、インフルエンザウイルスの抗原を調べます。

インフルエンザに感染すると、体内でウイルスが増えていきます。

しかし、発症して間もない時期には、検体に含まれるウイルス量が、検査で検出できる量まで増えていないことがあります。

そのため、

インフルエンザに感染しているのに、迅速検査では陰性になる

ということが起こります。

これを「偽陰性」といいます。


発熱直後の陰性では、インフルエンザを否定できません

例えば、

「朝から体調が悪くなり、昼に発熱して、午後すぐに検査を受けた」

という場合には、まだウイルス量が少ない可能性があります。

この時点で検査が陰性でも、

「インフルエンザではありません」

と完全に否定できるわけではありません。

特に、

  • 急な高熱
  • 強い悪寒
  • 頭痛
  • 関節痛や筋肉痛
  • 強い倦怠感
  • 喉の痛み
  • 家族や職場にインフルエンザの人がいる

といった状況がそろっている場合には、検査結果が陰性でも、インフルエンザの可能性を考えます。


「発熱から12時間待たないと検査できない」は本当?

「インフルエンザ検査は、発熱から12時間以上たたないと受けられない」

と聞いたことがある方もいると思います。

確かに、発症直後よりも、ある程度時間が経過してウイルス量が増えてからの方が、迅速検査で検出しやすくなる傾向があります。

しかし、全員が必ず12時間待たなければならないわけではありません。

受診のタイミングは、

  • 症状の強さ
  • 年齢
  • 基礎疾患
  • 妊娠の有無
  • 周囲の流行状況
  • 発症した時刻
  • 水分を取れているか
  • 呼吸状態

などによって変わります。

症状が強い方や、重症化リスクの高い方が、検査のためだけに無理をして自宅で待ち続ける必要はありません。

まず診察を受け、検査を行うか、経過をみて再検査するかを判断します。


検査が陰性でも、再検査を検討することがあります

発症早期に検査を行って陰性だった場合でも、その後に高熱や強い倦怠感が続くときには、時間を空けて再検査を検討することがあります。

過去の厚生労働省の検査指針でも、発症後早期には偽陰性となる可能性が比較的高く、偽陰性が疑われる場合には、時間を空けて再検査する考え方が示されています。

大切なのは、

「一度陰性だったから、もうインフルエンザではない」

と自己判断しないことです。

症状の変化や、その後の経過も含めて判断します。


発熱がなくても、インフルエンザのことがあります

インフルエンザというと、突然の高熱を思い浮かべるかもしれません。

しかし、

  • 高齢者
  • 免疫力が低下している方
  • 解熱鎮痛薬を使用している方
  • ワクチンを接種している方

などでは、はっきりした高熱が出ないこともあります。

「熱が高くないから、インフルエンザではない」

とも言い切れません。

咳、喉の痛み、倦怠感、頭痛、関節痛などの症状や、周囲での流行状況も確認する必要があります。


当院では「クイックナビ-Flu2」を採用しています

新宿イーストサイドたけうち内科では、インフルエンザの迅速抗原検査に、大塚製薬が販売する「クイックナビ-Flu2」を採用しています。

クイックナビ-Flu2は、インフルエンザA型とB型を判別する検査キットです。

判定時間は5分で、陽性例では早い段階で反応が確認できる場合があります。

当院では、検査キットの価格だけでなく、検出性能、判定のしやすさ、結果が出るまでの時間を考えて、使用する製品を選んでいます。

ただし、どれほど性能のよい迅速検査でも、発症直後の偽陰性を完全になくすことはできません。

検査結果だけで診断せず、症状と経過を合わせて判断します。


インフルエンザと新型コロナは、症状だけでは区別できません

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、いずれも、

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 倦怠感

などの症状を起こします。

症状だけで、どちらの感染症かを正確に区別することは困難です。

地域の流行状況や接触歴によっては、インフルエンザと新型コロナウイルスの両方を調べることがあります。

当院では新型コロナウイルスについて、抗原検査に加え、必要に応じてID NOWによるNEAR法や、AutoAmpによるリアルタイムPCR検査を選択できます。


治療薬は、発症から48時間以内の開始が一つの目安です

抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると、より効果が期待できます。

しかし、

「検査が陽性になるまで、何日も待つ」

という意味ではありません。

症状、発症時期、重症化リスク、検査結果などを確認し、治療が必要かを医師が判断します。

また、すべての方に抗インフルエンザ薬が必須というわけではありません。

年齢、基礎疾患、症状の強さ、ご本人の希望などを踏まえて、使用する薬を選びます。


検査の時間を待たず、早めに受診した方がよい方

次のような方は、発熱からの時間だけを気にして受診を遅らせず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 高齢の方
  • 妊娠中の方
  • 乳幼児
  • 喘息やCOPDなどの呼吸器疾患がある方
  • 心臓病、糖尿病、腎臓病などの基礎疾患がある方
  • 抗がん剤や免疫抑制薬を使用している方
  • 水分が取れない方
  • 呼吸が苦しい方
  • 意識がもうろうとしている方
  • ぐったりして動けない方
  • 胸の痛みがある方

強い呼吸困難、意識障害、けいれんなどがある場合には、通常の外来受診ではなく、救急要請を検討してください。


検査を受ける「時間」だけでなく、診察が大切です

インフルエンザ検査では、

「発熱から何時間たったか」

だけが注目されがちです。

しかし、本当に大切なのは、

  • いつ、どの症状から始まったのか
  • 症状がどのように変化しているのか
  • 周囲で何が流行しているのか
  • 重症化リスクがあるか
  • 肺炎などを起こしていないか

を確認することです。

迅速検査は、診断を助ける大切な手段ですが、検査結果だけですべてが決まるわけではありません。

陰性という結果も、症状や検査時期と合わせて解釈する必要があります。


東新宿でインフルエンザ検査をご希望の方へ

「発熱したばかりだが、受診してよいか分からない」

「迅速検査は陰性だったが、高熱が続いている」

「家族や職場にインフルエンザの人がいる」

という方はご相談ください。

新宿イーストサイドたけうち内科では、発症時期、症状、周囲の流行状況を確認し、検査や治療方針を判断します。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


発熱外来のご予約

発熱、咳、喉の痛みなどの感染症症状がある方は、発熱外来のご予約をお願いいたします。

発熱外来の予約はこちら

※当院の発熱外来は完全予約制です。
※検査方法は、症状や発症からの時間を確認したうえで医師が判断します。
※検査結果が陰性でも、感染症を完全に否定できない場合があります。

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

当院の診療体制シリーズ 検査はどこで受けても同じ?|当院が検査機器と精度にこだわる理由

当院の診療体制シリーズ

検査はどこで受けても同じ?|当院が検査機器と精度にこだわる理由

「同じ病気を調べる検査なら、どこで受けても同じでは?」

そう思われるかもしれません。

しかし実際には、使用する検査キットや検査機器、検査方法、検体を採取するタイミングによって、得られる情報や結果が出るまでの時間は異なります。

小さなクリニックでは、どのような検査機器を使っているのか、患者さんからはなかなか見えません。

設備を整えていても、きちんと発信しなければ、その違いは誰にも伝わりません。

そこで今回は、新宿イーストサイドたけうち内科が、診断の精度と速さを高めるために整えている検査体制についてご紹介します。


当院が大切にしているのは「検査すること」ではありません

検査は、たくさん行えばよいものではありません。

大切なのは、

  • どの病気を疑っているのか
  • 発症からどのくらい時間が経過しているのか
  • どの検査方法が適しているのか
  • 検査結果を、その後の診断や治療にどうつなげるのか

を考えたうえで、必要な検査を選ぶことです。

当院では、単に検査結果をお渡しするのではなく、問診、診察、検査結果を組み合わせて診断し、その後の治療まで一貫して行うことを重視しています。


1.新型コロナウイルス検査|3つの方法を使い分けます

新型コロナウイルスの検査には、抗原検査、NEAR法による遺伝子検査、リアルタイムPCR検査を用意しています。

抗原検査

クイックナビ-COVID19 Ag

新型コロナウイルスの抗原検査には、大塚製薬が販売する「クイックナビ-COVID19 Ag」を採用しています。

抗原検査は、短時間で結果が分かることが利点です。

一方で、感染初期などウイルス量が少ない時期には、感染していても陰性になる可能性があります。

そのため当院では、抗原検査の結果だけで機械的に判断するのではなく、発症からの時間、症状、周囲の流行状況なども確認します。

NEAR法による遺伝子検査

ID NOW

抗原検査よりも高い感度が必要と考えられる場合には、アボット社の「ID NOW」を使用します。

ID NOWは、NEAR法という等温核酸増幅法によって、新型コロナウイルスの遺伝子を検出する装置です。

新型コロナウイルス2019 v2.0では、陽性結果は最短6分、陰性結果も12分未満で得られます。

抗原検査のような迅速性と、遺伝子検査という特長を併せ持つ検査です。

リアルタイムPCR検査

AutoAmp

さらに精密な確認が必要な場合には、島津製作所の全自動リアルタイムPCR装置「AutoAmp」を使用できます。

PCR検査は、検体に含まれるウイルスの遺伝子を増幅して検出する検査です。

当院では、患者さんの症状、発症時期、抗原検査の結果、検査の目的などに応じて、

  • 抗原検査
  • ID NOWによるNEAR法
  • AutoAmpによるリアルタイムPCR法

を使い分けます。

一つの検査方法だけですべてを判断するのではなく、状況に応じて、より適切な方法を選べることが当院の強みです。


2.インフルエンザ検査|クイックナビ-Flu2を採用

インフルエンザの抗原検査には、大塚製薬が販売する「クイックナビ-Flu2」を採用しています。

クイックナビ-Flu2は、A型とB型を判別する迅速抗原検査です。

判定時間は5分で、陽性例では早い段階で判定できる場合もあります。

ただし、インフルエンザ検査も発症直後はウイルス量が少なく、陰性になることがあります。

「検査が陰性だったから、絶対にインフルエンザではない」

とは限りません。

当院では、発熱の経過、周囲の流行、関節痛や倦怠感などの症状、診察所見を含めて総合的に判断します。


3.超音波検査|脂肪肝を“見た目”だけで終わらせません

当院では、キヤノンメディカルシステムズの超音波診断装置「Aplio me」を導入しています。

一般的な腹部超音波検査では、肝臓が白く見えるかどうかなどから、脂肪肝の可能性を評価します。

しかし、

「脂肪肝があります」

と視覚的に判断するだけでは、肝臓に脂肪がどの程度蓄積しているのか、肝臓がどの程度硬くなっているのかまでは十分に分かりません。

当院の超音波検査では、

  • ATIによる肝内脂肪蓄積の定量評価
  • SWEによる肝硬度の定量評価

が可能です。

ATIは、超音波が肝臓内でどの程度減衰するかを測定し、脂肪蓄積の程度を評価する技術です。

SWEは、肝臓内を伝わるせん断波の速度を測定し、肝臓の硬さを評価する技術です。

脂肪肝で本当に注意したいのは、脂肪があることだけではなく、炎症や線維化が進行していないかという点です。

当院では、単に「脂肪肝らしい」という見た目の評価だけで終わらせず、脂肪蓄積量と肝硬度を数値化し、今後の診療へつなげます。


4.呼気一酸化窒素検査(FeNO)|喘息に関連する気道炎症を調べます

長引く咳の原因として、気管支喘息や咳喘息が疑われることがあります。

しかし、咳が続いているという理由だけで、すべてを咳喘息と診断することはできません。

当院では、喘息に関連する好酸球性気道炎症を評価するために、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を測定しています。

決められた方法で息を吐いていただき、その呼気に含まれる一酸化窒素の濃度を測る検査です。

採血や気管支鏡を使わずに、気道の好酸球性炎症を推定できます。

ただし、FeNOの数値だけで喘息の有無を確定することはできません。

症状、聴診所見、呼吸機能検査、胸部レントゲンなどと組み合わせて、診断の補助として利用します。


5.胸部レントゲン検査|撮影後、速やかに画像を確認

当院では、富士フイルムのフラットパネルセンサを用いたデジタルレントゲンシステムを採用しています。

従来のカセッテを使用する方式では、撮影後に画像を読み取る工程が必要でした。

デジタル方式では、撮影した画像を速やかに画面へ表示できるため、検査から診察へ移るまでの時間を短縮できます。

肺炎、気胸、肺腫瘍、心拡大、胸水などが疑われる場合に、その場で画像を確認し、次の診断や治療方針を考えます。

なお、自動的に診断を確定する装置ではありません。

最終的には医師が画像を確認し、症状や診察所見と合わせて判断します。


6.CT・MRI検査|2つの画像診断専門施設と連携

レントゲンや超音波検査だけでは十分に判断できない場合には、CTやMRIによる詳しい評価が必要になります。

当院では、

の2つの画像診断専門施設へ、CT・MRI検査を依頼しています。

Seeds Clinic新宿三丁目は、新宿三丁目駅E3出口直結です。

メディカルスキャニング東新宿は、東新宿駅から徒歩1分に位置し、当院からも近いため、患者さんの移動負担を抑えやすい施設です。

当院内にはCT・MRI装置を設置していませんが、検査する部位や目的、緊急性、予約状況などに応じて画像診断施設をご紹介し、撮影された画像や読影結果を当院で確認します。

胸痛、腹痛、頭痛、しびれ、腫瘍の疑いなど、CT・MRIによる詳しい評価が必要な場合にも、撮影して終わりにするのではなく、その後の診断や治療へつなげます。

予約状況などの条件が合えば、当日中に撮影し、画像や診断結果を確認できる場合もあります。

※紹介先は、検査内容、緊急性、予約状況、患者さんのご希望などを踏まえてご案内します。
※検査日時や結果を確認できる時期は、紹介先や検査内容によって異なります。


7.血液検査|検査会社BMLを採用しています

当院の血液検査は、臨床検査会社のBMLへ委託しています。

BML総合研究所は、臨床検査室の品質と能力に関する国際規格「ISO 15189」の認定を取得し、継続的な精度管理に取り組んでいます。

血液検査は、どこで受けても完全に同じ数値になるとは限りません。

測定方法、測定機器、検査試薬、採血した時間、食事、運動、飲酒、体調などによって、結果が変動することがあります。

そのため、数値の経過を判断するときには、できるだけ同じ検査会社、同じ条件で比較することも大切です。

当院では、単価だけを優先して検査会社を選んでいるわけではありません。

検査結果の信頼性を重視し、費用がかかってもBMLを採用しています。

健診結果と当院の採血結果に違いがある場合には、測定条件や検査方法の違いも確認しながら、当院で継続的に測定した結果をもとに治療方針を判断します。


高価な機器があるだけでは、正しい診断にはなりません

どれほど性能の高い検査機器でも、検査を行う時期や対象を間違えれば、適切な結果にはつながりません。

また、検査結果だけを見て診断できるわけでもありません。

大切なのは、

問診、診察、検査、画像、これまでの経過を一つにつなげて考えることです。

当院の強みは、複数の検査方法を用意していることだけではありません。

患者さんの症状に応じて検査を選び、その結果を医師が確認し、必要な治療や専門医療機関への紹介までつなげられることにあります。


検査結果まで含めて診てほしい方へ

「発熱したので、精度を重視した検査を受けたい」

「抗原検査は陰性だったが、症状が続いている」

「長引く咳の原因をきちんと調べたい」

「健診で脂肪肝を指摘されたので、詳しく評価したい」

「血液検査の異常を、その後の治療まで相談したい」

「レントゲンだけでなく、必要ならCTやMRIまで進めてほしい」

という方はご相談ください。

新宿イーストサイドたけうち内科では、検査を行うこと自体を目的とせず、検査結果を診断と治療へつなげることを大切にしています。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


診察・検査のご予約

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

診療予約はこちら

※検査の種類は、症状、発症からの時間、診察所見などを確認したうえで医師が判断します。
※いずれの検査にも偽陰性・偽陽性の可能性があり、一つの検査結果だけで病気を完全に否定・確定できるとは限りません。

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:お知らせ

症状から考えるシリーズ 「疲れたから注射」で終わって大丈夫?|疲れが続くときに考えたい病気

症状から考えるシリーズ

「疲れたから注射」で終わって大丈夫?|疲れが続くときに考えたい病気

「最近、とても疲れています」

仕事が忙しい。

睡眠時間が足りない。

暑さで体力を消耗した。

会食や飲酒が続いた。

疲れを感じる理由に、心当たりがある方は多いと思います。

十分に休めば回復する一時的な疲れであれば、大きな心配はいらないことがほとんどです。

当院でも、

「仕事で疲れたので、にんにく注射を受けたい」

「大切な予定があるので、コンディションを整えたい」

という方には、体調とご希望を確認したうえで、コンディションケア注射・点滴をご案内しています。

しかし、疲れが長く続いている場合には、単なる疲労だけでなく、病気が隠れていないかを一度考える必要があります。


注射を受ける前に、原因を調べた方がよい疲れもあります

疲れたときに注射や点滴を受けること自体が悪いわけではありません。

ただし、注射や点滴は、疲れの原因を診断する検査ではありません。

何らかの病気によって倦怠感が出ている場合には、注射を受けるだけでは根本的な解決にならないことがあります。

特に、

  • 疲れが何週間も続いている
  • 十分に眠っても回復しない
  • 以前はできていた仕事や家事がつらい
  • 少し動いただけで息切れする
  • 動悸や胸の苦しさがある
  • 食欲がない
  • 体重が増えた、または減った
  • 微熱が続いている
  • 顔色が悪いと言われる
  • 強い眠気がある
  • 気分の落ち込みが続いている

という場合には、診察や検査を受けることをおすすめします。


疲れの原因1|貧血

貧血になると、全身へ十分な酸素を運びにくくなります。

そのため、

  • 疲れやすい
  • 息切れする
  • 動悸がする
  • めまいがする
  • 立ちくらみがある
  • 顔色が悪い

などの症状が現れることがあります。

月経のある女性では鉄欠乏性貧血が多くみられますが、男性や閉経後の女性に貧血がある場合には、胃や大腸などからの出血が隠れていないかを確認することも重要です。

血液検査では、赤血球やヘモグロビンだけでなく、必要に応じて鉄やフェリチンなども調べます。


疲れの原因2|甲状腺の病気

甲状腺ホルモンは、全身の代謝を調節しています。

甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症では、

  • 疲れやすい
  • 眠い
  • むくむ
  • 体重が増える
  • 寒がりになる
  • 便秘になる
  • 脈が遅くなる

といった症状がみられます。

反対に、甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症では、

  • 動悸がする
  • 汗をかきやすい
  • 手が震える
  • 体重が減る
  • 疲れやすい
  • 落ち着かない

などの症状が現れることがあります。

「疲れているから」と思っていたら、血液検査で甲状腺の異常が見つかることもあります。


疲れの原因3|糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、糖をエネルギーとしてうまく利用できず、倦怠感が出ることがあります。

糖尿病では、

  • 喉が渇く
  • 水分をたくさん飲む
  • 尿の回数が増える
  • 食べているのに体重が減る
  • 傷が治りにくい
  • 感染症を繰り返す
  • 食後に強い眠気がある

などの症状を伴うことがあります。

糖尿病は、かなり進行するまで自覚症状がないことも少なくありません。

血糖値やHbA1cを調べることで、現在の状態を確認できます。


疲れの原因4|肝臓や腎臓の異常

肝臓は、栄養の代謝や有害物質の処理など、多くの役割を担っています。

脂肪肝、肝炎、飲酒による肝障害などがあっても、初期にははっきりした症状が出ないことがあります。

腎臓の機能が低下した場合も、初期には自覚症状が少なく、進行すると倦怠感、むくみ、食欲低下などが現れることがあります。

「疲れているだけ」と思っていても、血液検査や尿検査で異常が見つかることがあります。


疲れの原因5|睡眠時無呼吸症候群

睡眠時間を確保しているのに、

「朝から疲れている」

「昼間に強い眠気がある」

「仕事中に集中できない」

という場合には、睡眠の質に問題があるかもしれません。

特に、

  • 大きないびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
  • 朝起きると頭が痛い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 高血圧がある
  • 肥満がある

という方では、睡眠時無呼吸症候群を考えます。

自宅で行える簡易検査で確認できる場合があります。


疲れの原因6|心臓や肺の病気

心臓や肺の働きが低下すると、全身へ十分な酸素を届けにくくなり、疲れやすさとして現れることがあります。

  • 階段で息切れするようになった
  • 少し歩いただけで疲れる
  • 胸が痛い、圧迫される
  • 動悸がする
  • 横になると息苦しい
  • 足がむくむ
  • 咳が長く続いている

という場合には、心電図、胸部レントゲン、血液検査、呼吸機能検査、超音波検査などを検討します。

突然の強い胸痛や呼吸困難、冷や汗、意識が遠のく症状がある場合には、注射や点滴を希望して来院するのではなく、救急要請が必要です。


感染症の始まりに、倦怠感だけが出ることもあります

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症では、発熱や咳より先に、強い倦怠感が現れることがあります。

「疲れだと思って出勤していたら、翌日に発熱した」

ということもあります。

周囲で感染症が流行している場合や、喉の違和感、悪寒、頭痛、関節痛などを伴う場合には、感染症の可能性も考えます。

検査は、発症してからの時間によって結果が変わるため、症状と経過を確認したうえで適切な方法を選びます。


心の疲れが、体の症状として現れることもあります

過労、睡眠不足、強いストレス、気分の落ち込みなどによっても、強い倦怠感が現れます。

ただし、最初からすべてを「ストレスのせい」と決めつけることは適切ではありません。

まず身体的な病気が隠れていないかを確認し、そのうえで心身の状態を一緒に考えることが大切です。


注射・点滴を希望して来院しても、診察へ切り替えられます

当院では、にんにく注射やコンディションケア注射・点滴を希望して来院された場合でも、症状を伺ったうえで病気の可能性が考えられるときには、診察や検査をご提案します。

反対に、診察を受けた結果、大きな異常が疑われず、ご本人が注射・点滴を希望される場合には、自費診療のコンディションケアメニューをご案内できます。

最初から、

「保険診療を受けるのか」

「自費の注射を受けるのか」

をご自身で完全に決めて来院する必要はありません。

体調を伺いながら、どちらが適しているかを一緒に考えます。


「いつもの疲れ」と違うと感じたら、ご相談ください

疲れの多くは、休養や睡眠によって改善します。

しかし、病気による倦怠感は、休んでもなかなか改善しません。

「年齢のせいだろう」

「仕事が忙しいから仕方がない」

「とりあえず注射を打てば大丈夫」

と済ませず、いつもの疲れと違うと感じたら、一度ご相談ください。

新宿イーストサイドたけうち内科では、症状や経過に応じて、血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲン、呼吸機能検査、超音波検査などを組み合わせ、疲れの原因を確認します。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


疲れ・倦怠感の診察予約

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

診療予約はこちら

※検査内容は、症状や診察所見を確認したうえで医師が判断します。
※コンディションケア注射・点滴は自由診療です。
※保険診療と自由診療の取り扱いについては、来院時にご案内します。

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

自由診療シリーズ 疲れたとき、どの注射・点滴を選んだらよいでしょうか?

自由診療シリーズ

疲れたとき、どの注射・点滴を選んだらよいでしょうか?

昨日から今日にかけて、

「仕事でとても疲れた」

「何か注射を打って、コンディションを整えたい」

という方が、続けて来院されました。

忙しい日が続き、休んでも疲れが抜けない。

大切な仕事や予定を控えているのに、体調がすっきりしない。

そのようなときに、にんにく注射などを検討する方もいらっしゃると思います。

しかし、いざメニューを見ると、

「にんにく注射とコンディションケア注射は何が違うの?」

「自分には、どれを選べばよいの?」

と迷うかもしれません。

新宿イーストサイドたけうち内科では、目的やご希望に合わせて、3種類の注射と1種類の点滴をご用意しています。


にんにく注射 1,500円

ビタミンB1を配合した、最もシンプルな注射です。

「まずは手軽な注射を試してみたい」

「仕事の疲れが気になる」

「時間をかけずに受けたい」

という方に選ばれています。

「にんにく注射」という名前ですが、にんにくそのものを注射するわけではありません。

ビタミンB1に含まれる成分のにおいが、注射後に一時的ににんにくのように感じられることから、この名前で呼ばれています。


メディカル注射 2,500円

ビタミンB1に加え、ビタミンB6、ビタミンB12、強力ネオミノファーゲンシーを配合した注射です。

にんにく注射よりも成分を充実させたメニューとなっています。

「疲れがたまっている」

「にんにく注射より、もう少し成分の多い注射を受けたい」

という方に向いています。


コンディションケア注射 3,000円

メディカル注射の成分に、ビタミンCを加えた注射です。

ビタミンB1、B6、B12、強力ネオミノファーゲンシー、ビタミンCを配合しています。

忙しい毎日の体調管理や、大切な仕事・予定を控えた際のコンディションケアを目的としてご用意しています。

「疲れだけでなく、全体的なコンディションを整えたい」

「複数のビタミンをまとめて補いたい」

という方に選ばれているメニューです。


ハイパフォーマンス点滴 4,500円

コンディションケア注射の成分量を2倍に増やした点滴メニューです。

注射ではなく、点滴でゆっくり投与します。

「疲れが強く、より充実した内容を希望したい」

「コンディションケア注射よりも成分量の多いメニューを選びたい」

「点滴で受けたい」

という方に向いています。

ハイパフォーマンス点滴は、当院の通常のコンディションケアメニューの中で、最も成分量の多いメニューです。


4つのメニューの違い

当院のコンディションケアメニューは、次のようにお選びいただけます。

手軽に試したい方

にんにく注射 1,500円

にんにく注射より成分を充実させたい方

メディカル注射 2,500円

ビタミンCも加えて、全体的なコンディションを整えたい方

コンディションケア注射 3,000円

コンディションケア注射の2倍量を点滴で受けたい方

ハイパフォーマンス点滴 4,500円

どれを選べばよいか分からない場合は、来院後にご相談いただけます。

症状、ご希望、既往歴などを確認しながら、一緒にメニューを選びます。


忙しい方にも受けていただきやすいメニューです

注射は、点滴と比べて投与にかかる時間が短いため、仕事の合間や出勤前後にも受けていただきやすい方法です。

一方、ハイパフォーマンス点滴は注射より時間がかかりますが、コンディションケア注射の2倍量の成分を点滴で投与できます。

所要時間が気になる方は、ご予約時または受付時にご確認ください。


「疲れ」の陰に病気が隠れていることもあります

疲れを感じる原因は、睡眠不足や仕事の忙しさだけとは限りません。

例えば、

  • 貧血
  • 甲状腺疾患
  • 糖尿病
  • 肝機能障害
  • 腎機能障害
  • 感染症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 心臓や肺の病気

などが隠れていることもあります。

注射や点滴は、病気そのものを診断・治療する代わりにはなりません。

疲れが長く続いている場合や、発熱、息苦しさ、胸痛、動悸、強い倦怠感などを伴う場合には、原因を確認するための診察や検査を優先します。

また、成分に対する感じ方には個人差があり、すべての方に同じ変化を保証するものではありません。


東新宿で、にんにく注射・コンディションケア注射をご希望の方へ

新宿イーストサイドたけうち内科では、その日の体調や目的に合わせて、注射・点滴のメニューをご提案します。

「どれを選べばよいか分からない」

という方も、来院してからご相談いただけます。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。

仕事の疲れが気になる方や、体調を整えたい方はご相談ください。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


コンディションケア注射・点滴のご予約

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

診療予約はこちら

※自由診療のため、健康保険は適用されません。
※表示価格は税込です。
※診察の結果、注射・点滴よりも検査や保険診療を優先する場合があります。

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

呼吸器シリーズ 「風邪は治ったのに咳だけ続く」|本当に咳喘息でしょうか?

呼吸器シリーズ

「風邪は治ったのに咳だけ続く」|本当に咳喘息でしょうか?

風邪の後、咳だけが残っていませんか?

風邪の後、咳だけが残っていませんか?

「熱も喉の痛みも治ったのに、咳だけが続いている」

「夜になると咳が止まらない」

「咳喘息と言われて吸入薬を使っているが、なかなか治らない」

このようなご相談は、呼吸器診療でよくあります。

風邪や新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどの後には、感染そのものが治った後も、しばらく咳が残ることがあります。

一方で、長引く咳の原因は一つではありません。

咳が続いているからといって、すべてが「咳喘息」とは限らないのです。


咳は、続いている期間によって分類されます

咳は、その持続期間によって、一般的に次のように分けられます。

  • 3週間未満:急性咳嗽
  • 3週間以上8週間未満:遷延性咳嗽
  • 8週間以上:慢性咳嗽

風邪などの感染症による咳は、多くの場合、時間とともに改善します。

しかし、3週間以上続く咳では、感染後咳嗽、喘息、咳喘息、鼻や副鼻腔の病気、胃食道逆流症など、さまざまな原因を考える必要があります。

さらに8週間以上続く場合には、「単なる風邪の名残」と考えず、原因を詳しく調べることが大切です。


風邪の後に多い「感染後咳嗽」

風邪や新型コロナウイルス感染症などが治った後に残る咳を、感染後咳嗽と呼びます。

ウイルス感染によって気道が傷つき、咳に対して敏感な状態が残ることなどが関係しています。

感染後咳嗽では、

  • 会話をすると咳が出る
  • 冷たい空気を吸うと咳き込む
  • 電車や職場など、咳を我慢したい場面でかえって出る
  • 夜間や明け方に咳が出る
  • 喉に違和感が残る

といった症状がみられることがあります。

時間とともに改善することが多いのですが、咳が強くて眠れない、仕事に支障が出る、症状が次第に悪化している場合には治療が必要です。

また、「感染後の咳だろう」と思っていたところ、実際には喘息や肺炎など、別の病気が隠れていることもあります。


咳喘息とはどのような病気ですか?

咳喘息は、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴が目立たず、咳を主な症状とする喘息の一型です。

特に、

  • 夜間や早朝に咳が出る
  • 季節の変わり目に悪化する
  • 冷たい空気で咳が出る
  • 会話、運動、笑うことなどで咳き込む
  • タバコの煙、香水、ほこりなどで悪化する
  • 以前にも同じような咳を繰り返したことがある
  • 花粉症やアレルギー性鼻炎がある

といった場合には、咳喘息や気管支喘息を考えます。

咳喘息では気道に炎症が続いているため、治療の基本は吸入ステロイド薬です。

単なる咳止めだけでは、気道の炎症を十分に治療できない場合があります。


「咳喘息」という名前だけが独り歩きしていないでしょうか?

最近では、長引く咳に対して「咳喘息」と診断され、吸入薬を処方されている方が増えています。

もちろん、実際に咳喘息である方は少なくありません。

しかし、咳が長引いているという理由だけで、すべてを咳喘息と判断することはできません。

吸入薬を使用しても改善しない場合には、

  • 診断が本当に咳喘息なのか
  • 吸入薬を正しく使用できているか
  • 薬の種類や量が適切か
  • 別の病気が重なっていないか

を見直す必要があります。

咳喘息という診断にこだわるのではなく、咳を起こしている原因を一つずつ確認することが大切です。


長引く咳には、さまざまな原因があります

鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏

鼻水が喉へ流れ込む後鼻漏や、慢性副鼻腔炎が咳の原因になることがあります。

鼻づまり、鼻水、喉に何か流れる感じ、頻繁な咳払いなどを伴う場合には、鼻や副鼻腔からの咳を考えます。

胃食道逆流症

胃酸や胃の内容物が食道へ逆流し、喉や気道を刺激して咳を起こすことがあります。

胸やけがなくても、逆流による咳が出る場合があります。

食後や横になったときに悪化する咳、声のかすれ、喉の違和感などが手がかりになります。

COPD

長年タバコを吸っている方では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)も考える必要があります。

咳や痰だけでなく、階段や坂道での息切れがある場合には注意が必要です。

喫煙をやめた後でも、過去の喫煙による影響が残っていることがあります。

薬の副作用

高血圧などに使用されるACE阻害薬の副作用として、痰を伴わない咳が続くことがあります。

薬を飲み始めてから咳が出るようになった場合は、お薬手帳をお持ちください。

自己判断で薬を中止せず、処方した医師へ相談しましょう。

肺炎・結核・非結核性抗酸菌症

発熱が目立たなくても、肺炎や慢性の呼吸器感染症が隠れていることがあります。

厚生労働省は、咳や痰、微熱、体のだるさなどが2週間以上続く場合には、結核の可能性も考えて早めに受診するよう呼びかけています。

肺がん・間質性肺炎など

頻度は高くありませんが、肺がんや間質性肺炎などが、長引く咳をきっかけに見つかることがあります。

特に、血痰、体重減少、進行する息切れなどを伴う場合には、胸部画像検査が必要です。

心不全など、肺以外の病気

咳は呼吸器の病気だけで起こるとは限りません。

横になると咳や息苦しさが強くなる、足がむくむ、短期間に体重が増えたという場合には、心不全など循環器の病気も考える必要があります。


咳の原因を調べるために行う検査

症状や診察所見に応じて、次のような検査を組み合わせます。

胸部X線検査

肺炎、結核、肺がん、心不全など、胸の中に異常がないかを確認します。

長引く咳の診療では、まず見逃してはいけない病気を除外することが大切です。

ただし、胸部X線ですべての病気が分かるわけではありません。必要に応じて、専門医療機関での胸部CT検査をご提案します。

呼吸機能検査

息を吸ったり吐いたりして、気管支の狭さや肺の働きを調べます。

喘息やCOPDの評価に役立ちます。

咳喘息では呼吸機能検査が正常なこともあるため、正常だからといって完全には否定できません。

呼気一酸化窒素(FeNO)検査

吐いた息に含まれる一酸化窒素の濃度を測り、好酸球性の気道炎症があるかを評価します。

喘息や咳喘息を考える手がかりになりますが、FeNOの数値だけで診断することはできません。

症状、診察所見、呼吸機能検査、治療への反応などを総合して判断します。

血液検査・感染症検査

必要に応じて、炎症反応、アレルギー、百日咳などを調べます。

発熱、喉の痛み、全身倦怠感などを伴う場合には、新型コロナウイルスやインフルエンザの検査を行うこともあります。


吸入薬を使っているのに治らないとき

吸入薬は、ただ処方されれば効果が出る薬ではありません。

吸入するタイミング、息の吸い方、吸入後の息止めなどが適切でないと、薬が気管支まで十分に届かないことがあります。

「毎日使っているのに効かない」という場合でも、吸入方法を確認すると改善できることがあります。

また、症状がよくなったからといって短期間で中止すると、気道の炎症が残り、再び咳が悪化する場合があります。

薬の変更や中止は、症状と検査結果を確認しながら判断します。


次の症状がある場合は、早めに受診してください

長引く咳に加えて、次のような症状がある場合には、早めの受診が必要です。

  • 息苦しい
  • 胸が痛い
  • 血痰が出る
  • 高熱が続く
  • 呼吸が速い
  • 唇の色が悪い
  • 食事や水分が取れない
  • 咳が急速に悪化している
  • 原因不明の体重減少がある
  • 寝ると息苦しくなる
  • 意識がぼんやりする

呼吸困難や強い胸痛、顔色不良などがある場合は、通常の外来受診を待たず、救急要請が必要なことがあります。


長引く咳は「咳喘息だろう」で終わらせないことが大切です

風邪の後に咳が残ること自体は、決して珍しくありません。

しかし、咳が長く続く場合や、治療を受けても改善しない場合には、別の原因がないかを確認する必要があります。

大切なのは、病名を早く一つに決めることではありません。

見逃してはいけない病気を除外し、咳の特徴や検査結果から、本当の原因に近づくことです。

新宿イーストサイドたけうち内科では、胸部X線、呼吸機能検査、呼気一酸化窒素(FeNO)検査などを用いて、長引く咳の原因を調べます。

「風邪は治ったのに咳だけが続く」

「咳喘息の治療を受けているが改善しない」

「どの診療科を受診すればよいか分からない」

という方は、ご相談ください。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

当院で接種できるワクチン一覧|新宿区の公費接種から自費接種まで

当院で接種できるワクチン一覧|新宿区の公費接種から自費接種まで

子どもから大人まで、予防接種のご相談を受け付けています

先日、当院で妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチン「アブリスボ」のご予約をいただきました。

当院では3例目のご予約でしたが、前回の接種から長い期間が空いていました。

妊娠中に接種することで、これから生まれてくる赤ちゃんをRSウイルス感染症から守る。

とても大切なワクチンですが、まだ十分に知られていないように感じます。

一方、2026年度には、

  • 妊婦さんへのRSウイルスワクチンの定期接種開始
  • 男子へのHPVワクチン助成の拡大
  • 高齢者用肺炎球菌ワクチンの変更

など、予防接種の制度に大きな動きがありました。

そこで今回は、当院で接種できる主なワクチンについて、全体像をご紹介します。


当院では、幅広い年代の予防接種に対応しています

新宿イーストサイドたけうち内科では、乳幼児、小中高生、妊婦さん、成人、高齢者まで、幅広い年代の予防接種を行っています。

接種できるワクチンには、

  • 国の定期接種
  • 新宿区独自の助成を利用できる接種
  • 全額自己負担となる任意接種

があります。

同じワクチンでも、年齢、住所、接種歴、基礎疾患などによって、公費の対象になるかどうかが異なります。


妊婦さんのRSウイルスワクチン「アブリスボ」

RSウイルスは、乳幼児に細気管支炎や肺炎を起こす感染症です。

特に、生後間もない赤ちゃんが感染すると、呼吸状態が悪化して入院が必要になることがあります。

アブリスボは妊婦さんに接種し、母体で作られた抗体を胎盤を通じて赤ちゃんへ届けるワクチンです。

つまり、これから生まれてくる赤ちゃんを、妊娠中から守るためのワクチンです。

新宿区では、2026年度から妊婦さんへのアブリスボが定期接種になりました。

対象となる接種時期は、妊娠28週0日から36週6日までです。1回の妊娠につき1回接種します。

接種を希望される方は、妊婦健診を受けている産婦人科の先生にもご確認ください。


HPVワクチン「シルガード9」

HPVは、子宮頸がんだけでなく、

  • 中咽頭がん
  • 肛門がん
  • 陰茎がん
  • 尖圭コンジローマ

などにも関係するウイルスです。

そのため、HPVワクチンは女性だけのワクチンではありません。

新宿区では、女子への定期接種に加えて、男子への任意接種費用助成も行われています。

2026年度から、男子の助成対象ワクチンに9価HPVワクチン「シルガード9」が加わりました。

男子の助成対象は、新宿区に住民登録がある小学6年生から高校1年生相当の方です。助成を受けるには、事前の申請が必要です。

HPVに感染する前に接種することで、より高い予防効果が期待できます。


子どもの定期予防接種

当院では、子どもの定期予防接種にも対応しています。

主なワクチンには、

  • B型肝炎
  • ロタウイルス
  • 小児用肺炎球菌
  • 五種混合
  • MR
  • 水痘
  • 日本脳炎
  • HPV
  • DT

などがあります。

ワクチンごとに接種できる年齢や標準的な接種時期が決まっています。

接種時期を逃している場合や、母子健康手帳を見ても次に何を接種すればよいか分からない場合は、ご相談ください。

接種歴を確認して、今後のスケジュールを一緒に整理します。


MRワクチン

MRワクチンは、麻しんと風しんを予防する混合ワクチンです。

子どもの定期接種だけでなく、接種歴が不明な成人、妊娠を希望する女性やそのご家族などで接種を検討することがあります。

妊娠中はMRワクチンを接種できません。

妊娠を希望している方は、妊娠前に抗体検査やワクチン接種を検討することが大切です。また、接種後は一定期間、妊娠を避ける必要があります。

年齢や抗体価などの条件によって、風しん抗体検査やワクチン接種の助成を受けられる場合があります。


帯状疱疹ワクチンは2種類あります

帯状疱疹は、過去に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスが、加齢や免疫力の低下などをきっかけに再び活性化することで発症します。

皮膚症状が治った後も、帯状疱疹後神経痛として強い痛みが長期間残ることがあります。

帯状疱疹を予防するワクチンには、次の2種類があります。

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」

子どもの水痘予防接種にも使われている生ワクチンです。

  • 接種は1回
  • 皮下注射
  • 新宿区の助成利用時の自己負担額は4,000円
  • 接種回数と費用を抑えられる

という特徴があります。

一方、免疫機能が低下している方、免疫抑制治療中の方、妊娠中の方などは接種できません。

組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」

生ワクチンではない帯状疱疹ワクチンです。

  • 原則2回接種
  • 筋肉注射
  • 新宿区の助成利用時の自己負担額は1回10,000円
  • 2回接種で合計20,000円
  • 高い予防効果と長い効果の持続が期待できる

という特徴があります。

接種部位の痛み、発熱、倦怠感などは、生ワクチンより起こりやすい傾向があります。

新宿区では、定期接種の対象者に加え、定期接種の対象にならない50歳以上の区民を対象とした任意接種費用の助成も行っています。

助成を受けるには、新宿区が発行する予診票が必要です。

水痘ワクチンとシングリックスのどちらが適しているかは、年齢、基礎疾患、免疫状態、費用、接種回数などを考慮して選びます。


高齢者用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌は、肺炎だけでなく、敗血症や髄膜炎などの重い感染症を起こすことがあります。

2026年度から、定期接種に使用される高齢者用肺炎球菌ワクチンは、20価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー20」に変更されました。

新宿区の定期接種は、原則として、過去に23価または20価肺炎球菌ワクチンを接種したことがない65歳の方が対象です。

接種できる期間は、65歳になる誕生日の前日から66歳になる誕生日の前日までです。

助成を利用できる機会が限られているため、予診票が届いた方は有効期限をご確認ください。

肺炎球菌ワクチンには複数の種類があり、過去の接種歴によって選択肢が変わります。詳しくは、別の記事でご説明します。


成人用肺炎球菌ワクチン「キャップバックス」

当院では、自費接種として、21価肺炎球菌結合型ワクチン「キャップバックス」も取り扱っています。

成人の重い肺炎球菌感染症に関係する21種類の血清型を対象としたワクチンです。

高齢の方だけでなく、基礎疾患があり肺炎球菌感染症のリスクが高い成人などで接種を検討することがあります。

プレベナー20、キャップバックス、ニューモバックスNPのどれが適しているかは、年齢、基礎疾患、過去の接種歴などによって異なります。


インフルエンザワクチン

当院では、10月からインフルエンザワクチンの接種を行う予定です。

通常の注射によるインフルエンザワクチンに加えて、対象年齢に該当する子どもには、鼻から投与する経鼻インフルエンザワクチンにも対応する予定です。

経鼻ワクチンは注射を使いませんが、生ワクチンのため、年齢や健康状態によっては接種できない場合があります。

2026年度の料金、予約開始日、対象年齢などの詳細は、決まり次第お知らせします。


新型コロナウイルスワクチン

新型コロナウイルス感染症は現在も発生しています。

高齢の方や基礎疾患のある方では、肺炎や呼吸不全などにより重症化することがあります。

当院では、10月から新型コロナウイルスワクチンの接種を行う予定です。

使用するワクチン、対象者、自己負担額、予約方法などは、国や新宿区の正式な案内が決まり次第お知らせします。


公費接種でも、必ず無料とは限りません

「公費接種」「助成対象」と聞くと、すべて無料だと思われるかもしれません。

しかし、制度によっては自己負担が必要です。

また、同じワクチンでも、

  • 年齢
  • 住民登録のある自治体
  • 接種歴
  • 基礎疾患
  • 接種する年度
  • 定期接種か任意接種か

によって、助成の対象や自己負担額が変わります。

予診票が必要なワクチンも多いため、予約前にお手元の書類をご確認ください。


接種をご希望の方へ

ワクチンによっては、事前に取り寄せが必要です。

接種をご希望の方は、あらかじめご予約をお願いいたします。

当日は、

  • 自治体から届いた予診票
  • マイナンバーカードまたは健康保険証
  • 母子健康手帳
  • 過去の接種記録
  • お薬手帳

などをご持参ください。

すべての書類が必要という意味ではありません。接種するワクチンや制度によって、必要なものが異なります。


どのワクチンを接種すればよいか分からない方へ

ワクチンは、ただ種類を増やして接種すればよいものではありません。

年齢、基礎疾患、妊娠の有無、これまでの接種歴、感染した場合の重症化リスクなどを考えて選ぶことが大切です。

「自分は助成の対象になるのか」

「過去に接種したか分からない」

「水痘ワクチンとシングリックスのどちらがよいか」

「家族で接種歴を整理したい」

という方もご相談ください。

新宿イーストサイドたけうち内科では、一人ひとりの接種歴と健康状態を確認し、必要なワクチンをご案内します。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

予防接種シリーズ 妊娠中に接種して、生まれてくる赤ちゃんを守る|RSウイルスワクチン「アブリスボ」

予防接種シリーズ

妊娠中に接種して、生まれてくる赤ちゃんを守る|RSウイルスワクチン「アブリスボ」

本日、妊婦さんからRSウイルスワクチン「アブリスボ」のご予約をいただきました。

妊婦さんのRSウイルスワクチンは、接種が始まったばかりであり、まだまだ十分に知られていないように感じます。

しかし、アブリスボは、とても分かりやすい目的を持つワクチンです。

妊娠中にワクチンを接種して、これから生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守ろう。

それが、このワクチンの目的です。

2026年4月から、妊婦さんへのRSウイルスワクチンは、予防接種法に基づく定期接種になりました。

新宿区では、対象となる妊婦さんは自己負担なし・無料で接種できます。

それでも接種があまり広がっていないのは、このワクチンの存在や、接種できる時期がまだ十分に伝わっていないからかもしれません。

一人でも多くの妊婦さんに知っていただきたいと思い、今回、このブログを書くことにしました。


RSウイルスとは?

RSウイルスは、発熱、鼻水、咳などの呼吸器症状を引き起こすウイルスです。

年齢を問わず、何度も感染する可能性があります。

大人や年長児では、一般的な風邪のような症状で終わることが少なくありません。

一方、生まれて間もない赤ちゃんが初めて感染した場合には、注意が必要です。

生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子どもが、少なくとも一度はRSウイルスへ感染するとされています。

多くは軽症で回復しますが、一部の乳幼児では、

  • 咳が強くなる
  • ゼーゼーする
  • 呼吸が速くなる
  • ミルクを飲めなくなる
  • 酸素濃度が低下する
  • 細気管支炎を発症する
  • 肺炎を発症する

など、重い呼吸器症状が現れることがあります。

特に、生後6か月以内の赤ちゃん、早産で生まれた赤ちゃん、心臓や肺に病気がある赤ちゃんなどでは、重症化する危険性があります。


赤ちゃんが接種するのではありません

アブリスボについて、

「生まれた赤ちゃんが接種するワクチンですか?」

と思われる方もいるかもしれません。

しかし、アブリスボは、赤ちゃんではなく妊婦さんが妊娠中に接種するワクチンです。

妊婦さんが接種すると、お母さんの体内でRSウイルスに対する抗体が作られます。

その抗体が胎盤を通じて、これから生まれてくる赤ちゃんへ移行します。

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の力だけでは十分な量の抗体を作ることができません。

そこで、妊娠中にお母さんが作った抗体を、出産前に赤ちゃんへ届けます。

お母さんから赤ちゃんへ、RSウイルスに対する抗体をプレゼントする。

この仕組みを利用したものが、母子免疫ワクチンです。


新宿区で無料接種の対象となる方

新宿区の定期接種としてアブリスボを受けられるのは、接種日時点で、

妊娠28週0日から36週6日まで

の妊婦さんです。

接種回数は、妊娠ごとに1回です。

以前の妊娠時にアブリスボを接種した方も、今回の妊娠で改めて接種できます。

接種費用

新宿区が発行する予診票を使用した場合は、

自己負担なし・無料

です。

接種当日には、新宿区の予診票が必要です。

予診票が手元にない方は、新宿区保健予防課へ申請してください。電子申請も利用できます。


接種できる期間は限られています

アブリスボは、妊娠中であればいつでも接種できるわけではありません。

新宿区の定期接種の対象期間は、

妊娠28週0日から36週6日まで

です。

ワクチンを接種した後、お母さんの体内で抗体が作られ、その抗体が胎盤を通じて赤ちゃんへ移行するまでには、ある程度の時間が必要です。

厚生労働省は、接種後14日以内に生まれた赤ちゃんについては、ワクチンの有効性が確立していないとしています。

そのため、接種を希望する方は、対象期間の終わりぎりぎりではなく、余裕を持って予約することをおすすめします。

妊娠38週6日までに出産を予定している場合や、出産が早まる可能性を指摘されている場合には、接種前に産婦人科の主治医へご相談ください。


どのくらい赤ちゃんを守る効果がありますか?

厚生労働省が公表している資料では、妊婦さんへのアブリスボ接種により、生まれた赤ちゃんのRSウイルスによる下気道感染症に対して、次の予防効果が示されています。

医療機関の受診が必要となる下気道感染症

  • 生後90日まで:約6割
  • 生後180日まで:約5割

重症の下気道感染症

  • 生後90日まで:約8割
  • 生後180日まで:約7割

アブリスボを接種しても、RSウイルスへの感染を完全に防げるわけではありません。

しかし、赤ちゃんが特に重症化しやすい出生後早期に、細気管支炎や肺炎などの重い呼吸器疾患を予防することが、大きな目的です。


アブリスボの副反応は?

接種後には、ほかのワクチンと同じように、

  • 注射した部分の痛み
  • 赤みや腫れ
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • だるさ

などが現れることがあります。

多くは一時的なものですが、接種後に気になる症状が現れた場合には、接種した医療機関へご相談ください。

また、非常にまれですが、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応が起こることがあります。

そのため、接種後は院内で一定時間、体調を確認します。


接種できない場合・注意が必要な場合

次のような場合には、当日の接種ができないことがあります。

  • 明らかな発熱がある
  • 重い急性疾患にかかっている
  • ワクチンの成分で重いアレルギー反応を起こしたことがある
  • 体調が著しく悪い

また、

  • 過去にワクチンで強い副反応があった
  • 基礎疾患がある
  • 妊娠経過について注意を受けている
  • 出産が早まる可能性がある
  • ほかのワクチン接種を予定している

という方は、事前に産婦人科の主治医と接種医へご相談ください。


産婦人科以外でも接種できます

新宿区の指定医療機関であれば、産婦人科以外でもアブリスボを接種できます。

アブリスボは妊婦さんが接種するワクチンですが、接種自体は通常の筋肉注射です。

ただし、妊娠の経過や出産予定日については、かかりつけの産婦人科医が最もよく把握しています。

当院での接種を希望する場合も、事前に産婦人科の主治医へ接種についてご相談ください。


接種当日にお持ちいただくもの

接種当日は、次のものをご持参ください。

  • 新宿区が発行したRSウイルスワクチン予診票
  • 母子健康手帳
  • マイナンバーカードまたは健康保険証
  • お薬手帳
  • 産婦人科から渡されている検査結果や資料

母子健康手帳で妊娠週数、出産予定日、過去の予防接種歴などを確認します。


アブリスボは事前予約制です

当院では、ワクチンの在庫を確認して準備するため、アブリスボは事前予約制です。

ご予約の際には、

  • 現在の妊娠週数
  • 出産予定日
  • 新宿区の予診票を持っているか
  • 産婦人科の主治医へ相談済みか

を確認させていただくことがあります。

接種できる期間を過ぎると、新宿区の定期接種として受けることができません。

接種を希望する方は、妊娠28週を迎える頃から、早めにご相談ください。


もっと多くの妊婦さんに知ってほしいワクチンです

当院では、今回のご予約がアブリスボの3例目でした。

決して多い数字ではありません。

もちろん、すべての妊婦さんが必ず接種しなければならないわけではありません。

ワクチンの効果や副反応について説明を受けたうえで、接種するかどうかを決めるのは妊婦さんご本人です。

しかし、

妊娠中に接種することで、これから生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守る方法がある。

そのこと自体は、もっと多くの妊婦さんに知っていただきたいと思います。

知らなければ、接種するかどうかを検討することもできません。

さらに、接種できる妊娠週数には限りがあります。

「もっと早く知っていれば、接種を検討できたのに」

ということがないように、妊娠中の方やご家族に、このワクチンの存在を知っていただければと思います。

新宿区では、対象となる妊婦さんは無料で接種できます。

「自分が対象になるか分からない」

「接種できる週数を確認したい」

「産婦人科以外で接種できる医療機関を探している」

という方は、母子健康手帳と新宿区の予診票をご準備のうえ、当院へお問い合わせください。

新宿イーストサイドたけうち内科は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


RSウイルスワクチン「アブリスボ」のご予約

新宿区の定期接種に対応しています。

ワクチン準備のため、事前に電話にてご予約をお願いいたします。

TEL 03-6205-5315

 

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

健診シリーズ 健診で血圧が高いと言われたら|会社の健診だけ高い場合も受診が必要?

健診シリーズ

健診で血圧が高いと言われたら|会社の健診だけ高い場合も受診が必要?

「健診のときだけ高かったので、大丈夫だと思います」

健康診断で血圧が高いと指摘された方から、

「普段は何ともありません」

「健診で緊張していただけです」

「もう一度測ったら少し下がりました」

「血圧の薬を飲み始めたくないので、受診していません」

と言われることがあります。

確かに、血圧は緊張、睡眠不足、疲労、気温、喫煙、カフェイン、運動などによって変動します。

健康診断で一度血圧が高かったからといって、それだけですぐに高血圧と確定し、全員が薬を飲み始めるわけではありません。

しかし、「健診で緊張しただけ」と自己判断し、そのまま放置することもおすすめできません。

大切なのは、健診の数字だけで結論を出すことではなく、家庭での血圧を確認し、本当に治療が必要な高血圧かどうかを見極めることです。


健診では、どのくらいから高血圧ですか?

病院や健康診断などで測る血圧は、一般に、

上の血圧が140mmHg以上

または、

下の血圧が90mmHg以上

の場合に、高血圧と判定されます。

「上は正常だけれど、下が90以上だった」

という場合も高血圧です。

ただし、血圧は常に同じ値ではありません。

歩いてきた直後、会話をしながら測ったとき、緊張しているとき、尿を我慢しているときなどには高くなることがあります。

一度だけ高かった場合は、落ち着いた状態で測り直し、さらに家庭血圧を確認することが重要です。


「会社の健診だけ高い」のは、白衣高血圧かもしれません

病院や健康診断では血圧が高いのに、自宅では正常な方がいます。

これを白衣高血圧といいます。

医師や看護師の白衣を見ると緊張する、という意味から名付けられましたが、会社の健康診断など、普段と異なる環境で測定したときにも起こります。

健診の血圧が高くても、家庭血圧が正常であれば、直ちに薬による治療が必要とは限りません。

ただし、白衣高血圧の方は、将来的に持続性高血圧へ移行することがあります。

「自宅では正常だったから、もう一生大丈夫」

というわけではなく、その後も定期的に家庭血圧を確認することが大切です。


健診では正常なのに、自宅で高い「仮面高血圧」もあります

白衣高血圧とは反対に、病院や健康診断では正常なのに、自宅や職場では血圧が高い方もいます。

これを仮面高血圧といいます。

健診では正常という仮面をかぶっているため、見逃されやすい高血圧です。

特に、

  • 朝起きた直後に血圧が高い
  • 仕事中や残業中に血圧が高い
  • 睡眠時間が短い
  • 強いストレスが続いている
  • 喫煙している
  • 飲酒量が多い
  • 肥満がある
  • 糖尿病や腎臓病がある
  • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる

という方では注意が必要です。

健康診断の血圧が正常でも、朝の家庭血圧が高い場合には、脳卒中や心臓病の危険性を十分に評価する必要があります。


家庭血圧は、どのくらいから高血圧ですか?

家庭血圧では、

上の血圧が135mmHg以上

または、

下の血圧が85mmHg以上

の場合に、高血圧と判断します。

健診や診察室で測る血圧よりも、家庭血圧の基準は5mmHg低く設定されています。

家庭血圧は、日常生活の中で繰り返し測定できるため、その方の普段の血圧を知るうえで非常に重要です。

日本高血圧学会のガイドラインでも、高血圧の判断では家庭血圧が重視されています。


家庭血圧は、いつ、どのように測ればよいですか?

家庭血圧は、朝と夜に測定します。

朝の血圧

  • 起床後1時間以内
  • 排尿後
  • 朝食前
  • 血圧の薬を飲む前
  • 座って1~2分安静にしてから

夜の血圧

  • 就寝前
  • 座って1~2分安静にしてから

椅子に座り、背もたれに背中をつけ、両足を床につけて測ります。

腕は心臓と同じ高さに置き、上腕に巻くタイプの血圧計をおすすめします。

1回測って終わりではなく、原則として朝と夜にそれぞれ2回測定し、その記録を5~7日程度続けると、普段の血圧が分かりやすくなります。

数値を紙の血圧手帳に書いても、血圧計のアプリに保存しても構いません。


血圧が高くても、ほとんど症状はありません

高血圧について、

「頭痛がないから大丈夫」

「めまいも動悸もありません」

「体調はよいので、血圧は問題ないと思います」

と考える方がいます。

しかし、高血圧は、かなり高くなるまで明らかな症状が出ないことが少なくありません。

症状がないまま長期間続き、少しずつ血管や心臓、腎臓へ負担をかけていきます。

その結果、将来的に、

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心不全
  • 心房細動
  • 慢性腎臓病
  • 大動脈瘤や大動脈解離

などにつながることがあります。

高血圧を治療する目的は、単に健康診断の数字をきれいにすることではありません。

将来の脳、心臓、腎臓、血管を守ることが治療の目的です。


受診すると、すぐ薬を飲むことになりますか?

健診で血圧が高かったからといって、受診したその日から必ず薬を始めるわけではありません。

まず、

  • 健診で測った血圧
  • 家庭血圧
  • 年齢
  • 喫煙の有無
  • 糖尿病や脂質異常症の有無
  • 腎機能
  • 心臓病や脳卒中の既往
  • ご家族の病歴
  • 現在飲んでいる薬
  • 生活習慣

などを確認します。

必要に応じて、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 心電図
  • 胸部X線
  • 心臓や頸動脈などの超音波検査

を行い、すでに心臓、腎臓、血管へ負担がかかっていないかを確認します。

血圧の程度が軽く、心血管リスクが高くない場合には、家庭血圧を測りながら、減塩、運動、体重管理、節酒などで経過を見ることもあります。

一方、血圧が非常に高い方や、糖尿病、腎臓病、心臓病などがある方では、早めに薬による治療をご提案することがあります。


血圧が180/120mmHg以上の場合は注意してください

血圧が非常に高くても、症状がなければ、慌てて何度も測り続ける必要はありません。

まず座って数分安静にし、もう一度測り直してください。

それでも180/120mmHg以上が続く場合には、早めに医療機関へ相談してください。

特に、

  • 激しい頭痛
  • 胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 片側の手足が動かしにくい
  • 言葉が出にくい
  • 意識がぼんやりする
  • 急に見えにくくなった

などを伴う場合には、脳卒中、心筋梗塞、大動脈解離などの可能性があります。

この場合は通常の外来受診を待たず、救急車を呼んでください。


2025年版ガイドラインでは、降圧目標がより厳格になりました

日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、治療中の方の降圧目標として、原則、

診察室血圧130/80mmHg未満

家庭血圧125/75mmHg未満

が示されています。

高血圧の診断基準である140/90mmHgと、治療によって目指す血圧は同じではありません。

つまり、治療中の方は、

「140を下回っているから十分」

とは限らないということです。

ただし、年齢、体の状態、ふらつき、転倒リスク、腎機能、薬の副作用などによって、実際の目標は一人ひとり異なります。

数字だけを一律に追いかけるのではなく、安全性を確認しながら調整することが大切です。


健診で血圧が高かった方は、結果と家庭血圧をご持参ください

健診で血圧が高いと言われても、すぐ薬を飲むと決まったわけではありません。

しかし、

「そのうち下がるだろう」

「緊張しただけだろう」

と何年も放置してしまうと、治療を始めるべき時期を逃す可能性があります。

まず家庭血圧を測り、本当に高血圧なのか、治療が必要なのかを確認しましょう。

受診の際には、

  • 健康診断の結果
  • 家庭血圧の記録
  • お薬手帳
  • 過去の検査結果

をご持参ください。

新宿イーストサイドたけうち内科では、健診の数字だけで薬を決めるのではなく、家庭血圧と将来の心血管リスクを確認し、一人ひとりに合った方針をご提案します。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


高血圧・健診異常のご相談

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

高血圧・健診異常の診療予約はこちら

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

感染症・発熱外来シリーズ インフルエンザが異例の8月に流行入り|発熱・咳・のどの痛みにご注意ください

感染症・発熱外来シリーズ

インフルエンザが異例の8月に流行入り|発熱・咳・のどの痛みにご注意ください

全国でインフルエンザの流行が始まりました

まだ8月ですが、全国的にインフルエンザの流行シーズンへ入りました。

厚生労働省によると、2026年8月17日から23日までの全国の定点当たり患者報告数は「1.11」となり、流行開始の目安である「1.00」を上回りました。

今回の流行入りは、現在の集計方法となった1999年以降では、2009年に次いで2番目に早い時期です。

東京都でも、同じ期間の定点当たり患者報告数は「1.49」と、すでに流行開始の目安を超えています。

ニュースではインフルエンザA型の発生が伝えられており、これから学校や職場、家庭内で感染が広がる可能性があります。

「インフルエンザは冬の病気」

と思っている方も多いかもしれませんが、今年は夏のうちから注意が必要です。


当院では、まだ急増している印象はありません

新宿イーストサイドたけうち内科では、現時点でインフルエンザの患者さんが急増している状況ではありません。

ただし、全国だけでなく東京都でも流行開始の目安を超えているため、東新宿周辺でもこれから患者さんが増えてくる可能性があります。

特に、

  • 急な発熱
  • 強いだるさ
  • 関節痛や筋肉痛
  • 頭痛
  • のどの痛み
  • 鼻水

などが現れた場合には、インフルエンザを考える必要があります。

インフルエンザでは高熱が有名ですが、必ずしも全員が39℃、40℃の熱を出すわけではありません。

予防接種を受けている方、高齢者、発症初期の方などでは、微熱や比較的軽い症状にとどまることもあります。


新型コロナも、なくなったわけではありません

現在は、インフルエンザだけでなく、新型コロナウイルス感染症も発生しています。

厚生労働省の集計では、8月17日から23日までの新型コロナの定点当たり報告数は、全国で「1.18」、東京都で「0.77」でした。

東京都では前週の「0.49」から増加しています。

新型コロナでも、

  • 発熱
  • のどの痛み
  • 鼻水
  • 頭痛
  • 全身倦怠感

などがみられます。

症状だけでインフルエンザと新型コロナを正確に見分けることは困難です。

「高熱だからインフルエンザ」

「のどが痛いから新型コロナ」

とは限りません。


当院ではインフルエンザ・新型コロナの同時検査ができます

当院では、鼻腔から検体を採取し、インフルエンザと新型コロナを同時に調べる迅速抗原検査を行っています。

発熱だけでなく、

「急に体がだるくなった」

「のどが強く痛む」

「咳が出始めた」

「職場や家族にインフルエンザの人がいる」

「市販の検査では陰性だったが、症状が続いている」

という方もご相談ください。

ただし、発症して間もない時期には、感染していても抗原量が少なく、検査が陰性になることがあります。

検査結果だけではなく、症状が始まった時期、周囲の流行状況、診察所見などを合わせて判断することが大切です。


インフルエンザの治療は、早めの受診が大切です

抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると、発熱期間を短くし、ウイルスの排出量を減らす効果が期待できます。

すべての方に抗インフルエンザ薬が必要とは限りませんが、

  • 高齢の方
  • 糖尿病がある方
  • 心臓病がある方
  • 喘息やCOPDなどの呼吸器疾患がある方
  • 腎臓病がある方
  • 妊娠中の方
  • 免疫を抑える治療を受けている方

は、重症化リスクを考え、早めに医療機関へ相談してください。


このような症状がある場合は、速やかな受診が必要です

次のような症状がある場合には、単なる風邪として様子を見続けないでください。

  • 呼吸が苦しい
  • 胸の痛みが続く
  • 水分がほとんど取れない
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 意識がぼんやりする
  • 顔色が悪い
  • 発熱が3日以上続く
  • 一度よくなった後に再び悪化した

強い呼吸困難、意識障害、激しい胸痛などがある場合には、救急要請も検討してください。


東新宿で発熱・咳・のどの痛みがある方へ

新宿イーストサイドたけうち内科では、発熱、咳、のどの痛み、鼻水、頭痛、全身倦怠感などの診療を行っています。

当院の発熱外来は、院内感染防止のため完全予約制です。

受診を希望される方は、直接来院せず、事前にご予約ください。

「まだ夏だから、インフルエンザではないだろう」

とは限りません。

インフルエンザと新型コロナの両方を念頭に置き、必要な検査と治療をご提案します。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


発熱外来のご予約

発熱、咳、のどの痛みなどがある方は、事前にご予約をお願いいたします。

発熱外来のご予約はこちら

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ

健診シリーズ 健診で脂肪肝と言われたら|お酒を飲まなくても起こるMASLDとは

健診シリーズ

健診で脂肪肝と言われたら|お酒を飲まなくても起こるMASLDとは

「お酒をあまり飲まないのに、脂肪肝と言われました」

健康診断のシーズンになると、

「腹部超音波検査で脂肪肝を指摘された」

「肝機能の数値が高いと言われた」

「お酒をほとんど飲まないのに、なぜ脂肪肝になるのですか?」

というご相談が増えてきます。

脂肪肝というと、

「お酒をたくさん飲む人の病気」

というイメージがあるかもしれません。

確かに、飲酒は脂肪肝や肝障害の重要な原因です。

しかし、現在増えているのは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧など、代謝の異常に関連して起こる脂肪肝です。

これを、**MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)**と呼びます。


MASLDとは何でしょうか?

MASLDは、

Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease

の略で、日本語では「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患」といいます。

以前は、飲酒量が多くない方の脂肪肝を、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼んでいました。

しかし、

「お酒を飲まないこと」

だけで病気を表すのではなく、肥満、血糖、血圧、脂質などの代謝異常との関係を重視するため、MASLDという名称へ変更されました。

MASLDは、脂肪肝があり、さらに、

  • 肥満・腹部肥満
  • 血糖値が高い、または糖尿病がある
  • 血圧が高い
  • 中性脂肪が高い
  • HDLコレステロールが低い

といった代謝異常が関係する病気です。


太っていなければ、MASLDにはなりませんか?

MASLDは肥満の方に多くみられますが、見た目が太っていない方にも起こります。

例えば、

  • 内臓脂肪が多い
  • 筋肉量が少ない
  • 運動習慣がない
  • 甘い飲み物や間食が多い
  • 夜遅い食事が続いている
  • 糖尿病や糖尿病予備群がある
  • 中性脂肪が高い
  • 閉経後である
  • 以前より体重が増えた

といった場合には、BMIがそれほど高くなくても脂肪肝になることがあります。

「太っていないから大丈夫」

とは限りません。

体重だけでなく、腹囲、血糖、血圧、脂質、筋肉量、生活習慣などを含めて考える必要があります。


お酒を飲む人はMASLDではないのでしょうか?

飲酒する方にも、肥満や糖尿病などに関連する脂肪肝は起こります。

実際には、

  • 飲酒による影響
  • 内臓脂肪
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 食生活
  • 運動不足

など、複数の要因が重なっている方も少なくありません。

「お酒が原因なのか、生活習慣が原因なのか」

と、どちらか一つに決められない場合もあります。

少量から中等量の飲酒に代謝異常が重なった脂肪性肝疾患は、飲酒量によってMetALDという区分に分類されることもあります。

名前を正確に分けること以上に大切なのは、飲酒と代謝異常の両方を確認し、肝臓の状態を評価することです。


脂肪肝は、放置しても大丈夫ですか?

脂肪肝の多くは、すぐに肝硬変になるわけではありません。

長期間、脂肪肝のまま大きく進行しない方もいます。

一方、肝臓に脂肪が蓄積するだけでなく、炎症や肝細胞の障害を伴う状態へ進む方もいます。

MASLDの中で、肝臓に炎症や肝細胞障害を伴うものを、

MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)

と呼びます。

MASHでは、炎症が長く続くことで肝臓に線維が増え、肝臓が徐々に硬くなることがあります。

これを肝線維化といいます。

肝線維化が進行すると、

  • 肝硬変
  • 肝不全
  • 肝がん

へ進む危険性が高くなります。


大切なのは「脂肪の量」だけではありません

腹部超音波検査で、

「脂肪肝があります」

と言われると、肝臓にどの程度脂肪がたまっているかが気になると思います。

しかし、将来の肝臓病を考えるうえで特に重要なのは、脂肪の量だけではありません。

肝臓に線維化が起きていないか、肝臓が硬くなっていないか

を確認することが大切です。

脂肪が多くても線維化が進んでいない方がいる一方、肝機能の数値がそれほど高くなくても線維化が進んでいる方がいます。

「軽い脂肪肝と言われたから大丈夫」

「ASTやALTが正常だから問題ない」

と、数値だけで判断することはできません。


肝機能が正常なら大丈夫ですか?

脂肪肝があっても、ASTやALTが基準範囲内に収まっていることがあります。

しかし、肝機能の数値が正常に見えても、脂肪肝や肝線維化を完全には否定できません。

また、健診結果では「正常」と表示されていても、以前よりALTが徐々に上昇している場合があります。

日本肝臓学会は「奈良宣言2023」で、健康診断などの血液検査でALTが30を超えている場合には、慢性肝臓病が隠れていないか確認することを呼びかけています。

大切なのは、一度の数値だけではなく、過去からの変化、ほかの検査結果、超音波所見などを含めて判断することです。


脂肪肝を指摘されたら、何を調べるのでしょうか?

まず、脂肪肝の原因と、肝臓がどの程度傷んでいるかを確認します。

血液検査

  • AST
  • ALT
  • γ-GTP
  • ALP
  • ビリルビン
  • 血小板
  • 血糖値
  • HbA1c
  • 中性脂肪
  • LDL・HDLコレステロール
  • B型肝炎・C型肝炎

などを確認します。

必要に応じて、自己免疫性肝疾患や、ほかの肝臓病に関する検査を追加します。

腹部超音波検査

肝臓への脂肪の蓄積、肝臓の形、表面、脾臓、胆のう、胆管などを確認します。

脂肪肝以外に、胆石や肝腫瘤などが見つかることもあります。

Fib-4 index

Fib-4 indexは、

  • 年齢
  • AST
  • ALT
  • 血小板数

から計算する、肝線維化の可能性を評価する指標です。

通常の健康診断に含まれる項目から計算できるため、脂肪肝の方を評価する最初の手がかりとして利用できます。

ただし、年齢の影響を受けるため、Fib-4 indexだけで線維化を確定することはできません。


当院では、脂肪の量と肝臓の硬さを測定します

新宿イーストサイドたけうち内科では、通常の腹部超音波検査に加えて、必要に応じて次の評価を行っています。

ATI

ATIは、超音波を使って肝臓への脂肪の蓄積程度を評価する検査です。

一般的な腹部超音波検査で、

「脂肪肝があるか、ないか」

を見るだけでなく、脂肪の程度を数値で評価するために使用します。

SWE

SWEは、超音波を使って肝臓の硬さを測定する検査です。

肝臓に線維化が進むと、肝臓は硬くなっていきます。

SWEによって肝臓の硬さを測定し、線維化が進んでいる可能性がないかを確認します。

ATIとSWEは、針を刺す検査ではなく、通常の腹部超音波検査と同じように、体の表面から測定します。


脂肪肝が見つかったら、薬を飲むのでしょうか?

MASLDの治療では、まず生活習慣と代謝異常を見直します。

  • 体重
  • 食事
  • 運動
  • 血糖
  • 血圧
  • 中性脂肪・コレステロール
  • 飲酒
  • 睡眠

などを確認します。

脂肪肝の治療は、肝臓だけを診ればよいわけではありません。

糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症、睡眠時無呼吸症候群などを適切に管理することが重要です。

体重が多い方では、急激な減量ではなく、無理なく継続できる体重減少を目指します。

脂肪肝があるからといって、自己判断で極端な断食や糖質制限を行う必要はありません。


お酒を飲まなければ安心、ではありません

アルコール性脂肪肝が広く知られているため、

「自分はお酒を飲まないから、肝臓は大丈夫」

と思っている方もいます。

しかし、現在は肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などを背景とするMASLDも重要な肝臓病です。

反対に、

「お酒のせいだから仕方がない」

と考え、肝機能異常を放置することも危険です。

飲酒の有無にかかわらず、脂肪肝を指摘されたら、

  • 原因は何か
  • 代謝異常が隠れていないか
  • 肝線維化が進んでいないか

を確認することが大切です。


脂肪肝は、肝臓だけの問題ではありません

MASLDがある方では、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを合併していることがあります。

そのため、将来の肝硬変や肝がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中など、全身の動脈硬化リスクにも注意が必要です。

健診で脂肪肝を指摘されたことをきっかけに、

  • 血糖
  • 血圧
  • コレステロール
  • 中性脂肪
  • 体重
  • 腹囲

をまとめて見直す意味があります。


健診結果をそのままお持ちください

健診で、

「脂肪肝」

「肝機能異常」

「ALT高値」

「γ-GTP高値」

などを指摘された方は、結果票をそのままお持ちください。

以前の健診結果があれば、一緒にお持ちいただくと、数値の変化を確認できます。

当院では、

  • 飲酒量
  • 体重の変化
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症の有無
  • 服用している薬やサプリメント
  • 血液検査
  • Fib-4 index
  • 腹部超音波検査
  • ATIによる脂肪量評価
  • SWEによる肝硬度評価

などを組み合わせて、今後の方針を検討します。

必要に応じて肝臓専門医療機関へご紹介します。


「よくある脂肪肝」で終わらせないでください

脂肪肝は非常によくみられるため、

「誰にでもある」

「症状がないから大丈夫」

「お酒を控えればよいだけ」

と考えられがちです。

しかし、大切なのは、脂肪肝があること自体だけではありません。

肝臓に炎症や線維化が起きていないかを確認することです。

早い段階で状態を把握すれば、食事、運動、体重、血糖、血圧、脂質などを見直し、肝線維化の進行を防げる可能性があります。

お酒を飲む方も、飲まない方も、健診で脂肪肝や肝機能異常を指摘されたら、一度ご相談ください。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


脂肪肝・肝機能異常のご相談

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

診療予約はこちら

参考

東新宿 内科|新宿イーストサイドたけうち内科

日付:  カテゴリ:ブログ