感染症シリーズ
インフルエンザ検査は、発熱してすぐでも分かる?|陰性でも安心できない理由
「熱が出たばかりですが、今日検査できますか?」
発熱外来で、よくいただく質問です。
朝から喉に違和感があり、午後になって急に発熱した。
家族や職場にインフルエンザの人がいる。
関節痛や悪寒が強く、インフルエンザではないかと心配している。
このような場合、
「すぐ検査を受けた方がよいのか」
「翌日まで待った方が正確なのか」
迷う方も多いと思います。
結論から申し上げると、インフルエンザ検査は発熱直後でも受けられますが、発症して間もない時期には、感染していても陰性になることがあります。
検査結果だけでなく、症状、発症からの時間、周囲の流行状況を一緒に考えることが大切です。
インフルエンザ迅速検査は、何を調べているのでしょうか?
一般的なインフルエンザ迅速検査では、鼻の奥などから採取した検体を使って、インフルエンザウイルスの抗原を調べます。
インフルエンザに感染すると、体内でウイルスが増えていきます。
しかし、発症して間もない時期には、検体に含まれるウイルス量が、検査で検出できる量まで増えていないことがあります。
そのため、
インフルエンザに感染しているのに、迅速検査では陰性になる
ということが起こります。
これを「偽陰性」といいます。
発熱直後の陰性では、インフルエンザを否定できません
例えば、
「朝から体調が悪くなり、昼に発熱して、午後すぐに検査を受けた」
という場合には、まだウイルス量が少ない可能性があります。
この時点で検査が陰性でも、
「インフルエンザではありません」
と完全に否定できるわけではありません。
特に、
- 急な高熱
- 強い悪寒
- 頭痛
- 関節痛や筋肉痛
- 強い倦怠感
- 咳
- 喉の痛み
- 家族や職場にインフルエンザの人がいる
といった状況がそろっている場合には、検査結果が陰性でも、インフルエンザの可能性を考えます。
「発熱から12時間待たないと検査できない」は本当?
「インフルエンザ検査は、発熱から12時間以上たたないと受けられない」
と聞いたことがある方もいると思います。
確かに、発症直後よりも、ある程度時間が経過してウイルス量が増えてからの方が、迅速検査で検出しやすくなる傾向があります。
しかし、全員が必ず12時間待たなければならないわけではありません。
受診のタイミングは、
- 症状の強さ
- 年齢
- 基礎疾患
- 妊娠の有無
- 周囲の流行状況
- 発症した時刻
- 水分を取れているか
- 呼吸状態
などによって変わります。
症状が強い方や、重症化リスクの高い方が、検査のためだけに無理をして自宅で待ち続ける必要はありません。
まず診察を受け、検査を行うか、経過をみて再検査するかを判断します。
検査が陰性でも、再検査を検討することがあります
発症早期に検査を行って陰性だった場合でも、その後に高熱や強い倦怠感が続くときには、時間を空けて再検査を検討することがあります。
過去の厚生労働省の検査指針でも、発症後早期には偽陰性となる可能性が比較的高く、偽陰性が疑われる場合には、時間を空けて再検査する考え方が示されています。
大切なのは、
「一度陰性だったから、もうインフルエンザではない」
と自己判断しないことです。
症状の変化や、その後の経過も含めて判断します。
発熱がなくても、インフルエンザのことがあります
インフルエンザというと、突然の高熱を思い浮かべるかもしれません。
しかし、
- 高齢者
- 免疫力が低下している方
- 解熱鎮痛薬を使用している方
- ワクチンを接種している方
などでは、はっきりした高熱が出ないこともあります。
「熱が高くないから、インフルエンザではない」
とも言い切れません。
咳、喉の痛み、倦怠感、頭痛、関節痛などの症状や、周囲での流行状況も確認する必要があります。
当院では「クイックナビ-Flu2」を採用しています
新宿イーストサイドたけうち内科では、インフルエンザの迅速抗原検査に、大塚製薬が販売する「クイックナビ-Flu2」を採用しています。
クイックナビ-Flu2は、インフルエンザA型とB型を判別する検査キットです。
判定時間は5分で、陽性例では早い段階で反応が確認できる場合があります。
当院では、検査キットの価格だけでなく、検出性能、判定のしやすさ、結果が出るまでの時間を考えて、使用する製品を選んでいます。
ただし、どれほど性能のよい迅速検査でも、発症直後の偽陰性を完全になくすことはできません。
検査結果だけで診断せず、症状と経過を合わせて判断します。
インフルエンザと新型コロナは、症状だけでは区別できません
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、いずれも、
- 発熱
- 咳
- 喉の痛み
- 頭痛
- 関節痛
- 倦怠感
などの症状を起こします。
症状だけで、どちらの感染症かを正確に区別することは困難です。
地域の流行状況や接触歴によっては、インフルエンザと新型コロナウイルスの両方を調べることがあります。
当院では新型コロナウイルスについて、抗原検査に加え、必要に応じてID NOWによるNEAR法や、AutoAmpによるリアルタイムPCR検査を選択できます。
治療薬は、発症から48時間以内の開始が一つの目安です
抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると、より効果が期待できます。
しかし、
「検査が陽性になるまで、何日も待つ」
という意味ではありません。
症状、発症時期、重症化リスク、検査結果などを確認し、治療が必要かを医師が判断します。
また、すべての方に抗インフルエンザ薬が必須というわけではありません。
年齢、基礎疾患、症状の強さ、ご本人の希望などを踏まえて、使用する薬を選びます。
検査の時間を待たず、早めに受診した方がよい方
次のような方は、発熱からの時間だけを気にして受診を遅らせず、早めに医療機関へ相談してください。
- 高齢の方
- 妊娠中の方
- 乳幼児
- 喘息やCOPDなどの呼吸器疾患がある方
- 心臓病、糖尿病、腎臓病などの基礎疾患がある方
- 抗がん剤や免疫抑制薬を使用している方
- 水分が取れない方
- 呼吸が苦しい方
- 意識がもうろうとしている方
- ぐったりして動けない方
- 胸の痛みがある方
強い呼吸困難、意識障害、けいれんなどがある場合には、通常の外来受診ではなく、救急要請を検討してください。
検査を受ける「時間」だけでなく、診察が大切です
インフルエンザ検査では、
「発熱から何時間たったか」
だけが注目されがちです。
しかし、本当に大切なのは、
- いつ、どの症状から始まったのか
- 症状がどのように変化しているのか
- 周囲で何が流行しているのか
- 重症化リスクがあるか
- 肺炎などを起こしていないか
を確認することです。
迅速検査は、診断を助ける大切な手段ですが、検査結果だけですべてが決まるわけではありません。
陰性という結果も、症状や検査時期と合わせて解釈する必要があります。
東新宿でインフルエンザ検査をご希望の方へ
「発熱したばかりだが、受診してよいか分からない」
「迅速検査は陰性だったが、高熱が続いている」
「家族や職場にインフルエンザの人がいる」
という方はご相談ください。
新宿イーストサイドたけうち内科では、発症時期、症状、周囲の流行状況を確認し、検査や治療方針を判断します。
当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保
発熱外来のご予約
発熱、咳、喉の痛みなどの感染症症状がある方は、発熱外来のご予約をお願いいたします。
※当院の発熱外来は完全予約制です。
※検査方法は、症状や発症からの時間を確認したうえで医師が判断します。
※検査結果が陰性でも、感染症を完全に否定できない場合があります。












