健診シリーズ⑤
健診で「心電図異常」と言われた方へ|要再検査・要精査は何を意味するのでしょうか?
心電図異常=心臓病と確定したわけではありません
健康診断で、
「心電図異常」
「不整脈の疑い」
「ST-T異常」
「要再検査」「要精査」
と指摘されていませんか?
心電図の結果には、普段あまり目にしない言葉が並んでいます。
そのため、
「心臓に重大な病気があるのではないか」
「突然倒れてしまうのではないか」
と不安になる方も少なくありません。
しかし、心電図に何らかの所見があっても、必ずしも治療が必要な心臓病とは限りません。
体質や年齢による変化、検査時の緊張、電極の位置などによって、異常と判定されることもあります。
一方で、症状がなくても確認した方がよい不整脈や心臓病が隠れている場合もあります。
大切なのは、判定の言葉だけで必要以上に怖がることではなく、その所見が何を意味するのかを確認することです。
心電図では何を調べているのでしょうか?
心電図は、心臓が動くときに発生する微弱な電気信号を波形として記録する検査です。
心電図からは、
- 心拍数が速すぎないか、遅すぎないか
- 脈の乱れがないか
- 心臓の電気が正しく伝わっているか
- 心臓に負担がかかっていないか
- 心筋の血流不足や過去の心筋梗塞が疑われないか
などを読み取ります。
痛みを伴わず、短時間で多くの情報を得られる大切な検査です。
ただし、心電図だけで、心臓の状態をすべて判断できるわけではありません。
健診でよく見られる心電図所見
健診結果に記載される代表的な所見には、次のようなものがあります。
洞性徐脈・洞性頻脈
心拍数が通常より遅い、または速い状態です。
体質、運動習慣、緊張、発熱、貧血、甲状腺の病気、服用している薬などが関係することがあります。
上室性期外収縮・心室性期外収縮
本来のリズムより早いタイミングで、余分な拍動が入る不整脈です。
健康な方にも見られ、治療を必要としないことも少なくありません。
一方、回数が多い場合や、動悸、息切れ、めまいなどを伴う場合には、追加の評価が必要です。
心房細動
脈が不規則になる不整脈です。
自覚症状がない場合もありますが、脳梗塞の原因になることがあるため、放置せず確認が必要です。
房室ブロック
心房から心室へ電気が伝わる過程に遅れや途切れがある状態です。
程度によっては経過観察でよい場合もありますが、めまいや失神を伴う場合や、伝導障害の程度が強い場合には、詳しい評価が必要です。
右脚ブロック・左脚ブロック
心臓内の電気が伝わる経路に遅れがある状態です。
右脚ブロックは、ほかに心臓病がなく、経過観察となることもあります。
一方、左脚ブロックなどでは、心臓の構造や機能を確認するため、心エコーなどが必要になる場合があります。
左室高電位・左室肥大
心電図の波が大きく、心臓の左心室に負担がかかっている可能性を示す所見です。
痩せている方や体質によっても見られますが、高血圧などによる心肥大が隠れていないかを確認します。
ST-T異常・T波異常
心臓の電気的な回復過程に変化が見られる状態です。
体質や電極の位置などによることもありますが、心筋の血流不足、心肥大、電解質異常などが関係する場合もあります。
異常Q波
過去の心筋梗塞などで見られることがある所見です。
ただし、誘導や波形によっては病気がなくても記録されるため、心電図の再確認やほかの検査を組み合わせて判断します。
「自動判定」の文字だけで判断しないでください
健診の心電図では、機械による自動解析結果が記載されることがあります。
自動解析は有用ですが、波形のわずかな違いや電極の位置、体動などによって、実際より強い異常として判定されることもあります。
そのため、
「心筋梗塞の疑い」
「虚血性変化」
「左室肥大」
などと書かれていても、自動判定だけで病気が確定したわけではありません。
実際の心電図波形を医師が確認し、症状、既往歴、過去の心電図などと比較して判断することが大切です。
健診結果を受診時に持参していただくのは、このためです。
症状がなくても受診した方がよいのでしょうか?
心電図異常を指摘された方の多くには、自覚症状がありません。
症状がなく、以前から同じ所見があり、追加検査で問題がないと確認されている場合には、経過観察でよいこともあります。
一方で、心房細動や一部の伝導障害、心筋症などは、症状がないまま見つかることがあります。
特に、
- 今回初めて指摘された
- 昨年までの心電図と変化している
- 要精査・要受診と判定されている
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症がある
- 心臓病の既往がある
- ご家族に若くして心臓病や突然死をした方がいる
という場合には、一度確認することをおすすめします。
健診の心電図が正常でも、不整脈がないとは限りません
通常の12誘導心電図で記録できるのは、短い時間だけです。
そのため、
「時々、脈が飛ぶ」
「突然、動悸が始まる」
「夜だけ脈が乱れる」
という症状があっても、健診を受けた瞬間に不整脈が出ていなければ、心電図には記録されません。
症状を繰り返す場合には、24時間心電図など、長時間記録する検査が必要になることがあります。
「健診の心電図が正常だったから、動悸も問題ない」とは限りません。
心電図異常を指摘されたら、どのような検査を行いますか?
必要な検査は、心電図所見や症状によって異なります。
まず、健診時の心電図を確認し、必要に応じて12誘導心電図を再検します。
そのうえで、
- 血液検査
- 胸部レントゲン検査
- 心エコー検査
- 24時間心電図
- 運動負荷心電図
- 循環器専門医療機関での精密検査
などを検討します。
すべての方に、すべての検査が必要なわけではありません。
心電図所見、症状、年齢、既往歴、生活習慣病などを確認し、必要な検査を選びます。
このような症状がある場合は、早めにご相談ください
心電図異常に加えて、
- 動悸を繰り返す
- 脈が極端に速い、または遅い
- 息切れがある
- めまいやふらつきがある
- 一時的に意識が遠のいた
- 運動時に胸が痛い
- 胸が苦しい
- 胸が重い
- 胸が締め付けられる
- 胸が圧迫される
という症状がある場合には、早めの受診をおすすめします。
突然の強い胸痛、冷や汗、強い息苦しさ、意識障害などがある場合には、当院への来院を待たず、119番へ連絡してください。
当院では、必要な検査を選んでご案内します
心電図異常があるからといって、必ず治療が必要とは限りません。
一方で、「症状がないから大丈夫」と放置してよいとも限りません。
当院では、
- 心電図所見の内容
- 過去の心電図との変化
- 動悸、息切れ、胸痛、失神などの症状
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症の有無
- 心臓病や突然死の家族歴
- 服用している薬
などを確認し、経過観察でよいのか、追加検査が必要なのかを判断します。
緊急性の高い病気や、より詳しい検査・治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へ速やかにご紹介します。
健診結果を受け取ったら、まず当院へ
健診で心電図異常を指摘されても、必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは、
「どのような心電図所見なのか」
「以前からある変化なのか」
「追加検査が必要なのか」
を確認することです。
「心電図の言葉の意味が分からない」
「症状はないけれど、受診した方がよいか知りたい」
「以前から同じ異常を指摘されている」
という方も、健診結果と心電図の波形をご持参のうえご相談ください。
新宿イーストサイドたけうち内科は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエアB1Fにあります。
健診結果を受け取ったら、まず当院へ。












