症状シリーズ
帰省・旅行後に片脚が腫れた|エコノミークラス症候群と突然の息苦しさに注意
車や新幹線で長時間移動しませんでしたか?
お盆休みに、車、新幹線、高速バス、飛行機などで長時間移動した方も多いと思います。
旅行や帰省から戻った後に、
「片方のふくらはぎだけが腫れている」
「脚が張って痛い」
「左右の脚の太さが違う」
「歩くとふくらはぎが痛む」
と感じていませんか?
長時間、同じ姿勢で脚を動かさずにいると、脚の静脈に血の塊ができることがあります。
これを深部静脈血栓症といいます。
さらに、脚にできた血栓が血流に乗って肺へ移動し、肺の血管に詰まると、肺血栓塞栓症を起こします。
一般に「エコノミークラス症候群」と呼ばれている病気です。
飛行機に乗った人だけの病気ではありません
「エコノミークラス症候群」という名前から、飛行機のエコノミークラスに乗ったときだけ起こる病気だと思われがちです。
しかし、問題となるのは座席の種類ではありません。
狭い場所で長時間、脚を動かさずに同じ姿勢を続けることが大きな要因です。
そのため、
- 長時間の車移動
- 高速バス
- 新幹線
- 飛行機
- 渋滞中の車内
- 自宅で長時間座ったまま過ごす
- 病気やけがによる長期間の安静
などでも起こる可能性があります。
お盆の帰省では、渋滞によって予定以上に長時間座り続けることがあります。
暑い時期は汗をかきやすく、水分不足も重なりやすいため注意が必要です。
片脚だけの腫れや痛みは、血栓のサインかもしれません
深部静脈血栓症では、次のような症状がみられることがあります。
- 片方のふくらはぎだけが腫れる
- 左右の脚の太さが違う
- ふくらはぎに張りや痛みがある
- 脚が重い
- 皮膚が赤い
- 片脚だけ熱を持っている
- 歩いたときにふくらはぎが痛む
両脚ではなく、片脚だけに症状が出ていることが重要な手がかりです。
ただし、血栓があっても症状が目立たない場合があります。
反対に、脚の腫れや痛みがすべて血栓によるものとも限りません。
筋肉痛、けが、感染症、静脈瘤、心臓や腎臓の病気などでも脚は腫れます。
症状だけで自己判断せず、必要な検査を受けることが大切です。
突然の息苦しさや胸痛は、迷わず119番へ
脚にできた血栓が肺へ移動すると、肺血栓塞栓症を起こすことがあります。
次のような症状が突然現れた場合は、速やかに119番へ連絡してください。
- 突然、息が苦しくなった
- 急に息切れが始まった
- 胸が痛い、胸が苦しい
- 深呼吸すると胸や背中が痛む
- 脈が速い
- 冷や汗が出る
- 顔色が悪い
- 血の混じった痰が出る
- めまい、ふらつきがある
- 意識を失った
大きな血栓が肺の血管を塞ぐと、急激に血圧が低下し、命に関わることがあります。
「長旅で疲れただけ」
「少し休めば治るだろう」
と様子を見ないでください。
自分で運転して医療機関へ向かわず、救急車を要請してください。
このような方は、特に注意が必要です
長時間移動に加えて、次のような条件があると血栓ができる危険性が高くなります。
- 過去に深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症を起こしたことがある
- 最近、手術や入院をした
- けがや病気で歩く機会が減っている
- がんの治療中である
- 妊娠中または出産後である
- 経口避妊薬や女性ホルモン製剤を使用している
- 肥満がある
- 高齢である
- 水分が不足している
- 喫煙している
これらに該当する方が、長時間移動後に片脚の腫れや痛みを感じた場合は、早めに医療機関へ相談してください。
受診すると、どのような検査をしますか?
深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症が疑われる場合は、
- 症状が始まった時期
- 長時間移動の有無
- 左右の脚の腫れ方
- 血栓症の既往歴
- 手術、入院、がん治療の有無
- 服用中のお薬
などを確認します。
状態に応じて、
- 酸素飽和度の測定
- 心電図
- 血液検査
- 下肢静脈超音波検査
- 造影CT検査
などが必要になります。
肺血栓塞栓症が疑われる場合や、緊急性が高い場合には、速やかに精密検査や治療が可能な医療機関へつなぎます。
長時間移動中にできる予防法
長時間移動では、次のことを心がけましょう。
- ときどき立ち上がって歩く
- 足首を上下に動かす
- ふくらはぎの筋肉を動かす
- こまめに水分を取る
- アルコールを飲み過ぎない
- 体を締め付ける服装を避ける
- 可能であれば脚を組まずに座る
車で移動する場合は、適度に休憩を取り、車外に出て歩くことが大切です。
ただし、すでに片脚が大きく腫れている、強く痛むなど、血栓症が疑われる場合は、自己流で強く揉みほぐそうとせず、医療機関へ相談してください。
お盆の移動後、片脚の腫れを放置しないでください
長時間移動後の片脚の腫れや痛みは、単なる疲れや筋肉痛のこともあります。
しかし、その中には深部静脈血栓症が隠れていることがあります。
そして、突然の息苦しさ、胸痛、動悸、失神などを伴う場合には、肺血栓塞栓症の可能性があります。
片脚の腫れや痛みは早めに相談し、突然の息苦しさや胸痛がある場合は迷わず119番へ連絡してください。
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