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健診異常・要再検査シリーズ 健診で「貧血・ヘモグロビン低値」|鉄分不足と決めつけてよいのでしょうか?

健診異常・要再検査シリーズ

健診で「貧血・ヘモグロビン低値」|鉄分不足と決めつけてよいのでしょうか?

「少し貧血があるだけ」と、そのままにしていませんか?

健康診断の結果を見て、

「ヘモグロビンが低い」

「貧血のため要再検査と書かれている」

「以前から貧血気味だけれど、特に症状はない」

という方はいませんか?

貧血は、女性に多い身近な異常です。

そのため、

「鉄分が足りないだけだろう」

「昔から貧血なので問題ない」

「サプリメントを飲めばよい」

と考えてしまうことがあります。

しかし、貧血は病名ではありません。

月経による鉄不足のほか、胃や腸からの出血、腎臓病、慢性炎症、ビタミン不足、血液の病気など、さまざまな原因で起こります。

大切なのは、鉄剤を飲むことだけではなく、なぜ貧血になったのかを確認することです。


貧血とは、どのような状態でしょうか?

血液中の赤血球には、ヘモグロビンという物質が含まれています。

ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の臓器や筋肉へ運ぶ役割を担っています。

貧血とは、血液中のヘモグロビンが少なくなり、体へ十分な酸素を運びにくくなった状態です。

貧血になると、体は酸素不足を補おうとして、心拍数を増やしたり、呼吸を速くしたりします。

その結果、

  • 疲れやすい
  • だるい
  • 階段で息切れする
  • 動悸がする
  • めまいや立ちくらみがある
  • 頭痛がする
  • 集中力が続かない
  • 顔色が悪い
  • 爪が割れやすい

などの症状が現れることがあります。

ただし、貧血がゆっくり進んだ場合には、体がその状態に慣れ、自覚症状がほとんどないこともあります。

症状がないから、貧血が軽いとは限りません。


健診結果のどの項目を見ればよいですか?

健診の血液検査では、主に次の項目を確認します。

ヘモグロビン(Hb)

赤血球に含まれ、酸素を運ぶ物質です。

貧血の有無を判断する中心的な項目です。

赤血球数(RBC)

血液中に赤血球がいくつあるかを示します。

ただし、赤血球数だけで貧血の有無や原因を判断することはできません。

ヘマトクリット(Ht)

血液中に赤血球が占める割合です。

脱水など、体内の水分量による影響も受けます。

MCV

赤血球1個あたりの大きさを示します。

MCVが小さいのか、正常なのか、大きいのかによって、貧血の原因を考える手がかりになります。

健診結果では、ヘモグロビンの数値だけでなく、赤血球数、ヘマトクリット、MCVなどを合わせて見ることが大切です。


最も多いのは鉄欠乏性貧血です

貧血の中でよくみられるのが、体内の鉄が不足する鉄欠乏性貧血です。

鉄は、ヘモグロビンを作るために必要な材料です。

鉄が不足すると、十分なヘモグロビンを作れなくなり、赤血球が小さく、色が薄くなる傾向があります。

鉄が不足する主な理由には、

  • 月経による出血
  • 過多月経
  • 妊娠、出産、授乳
  • 食事から摂る鉄の不足
  • 胃や腸からの慢性的な出血
  • 胃切除後などによる鉄の吸収低下
  • 成長期や激しい運動による需要の増加

などがあります。

しかし、血清鉄が低いという結果だけで、鉄欠乏性貧血と確定することはできません。


鉄不足は「フェリチン」で確認します

フェリチンは、体内に蓄えられている鉄の量を反映する検査です。

いわば、鉄の貯金を確認する項目です。

ヘモグロビンがまだ正常範囲でも、フェリチンが低下し、体内の鉄が枯渇しかけていることがあります。

一方、炎症や肝臓病などがあると、鉄が不足していてもフェリチンが低く出ない場合があります。

そのため、

  • ヘモグロビン
  • MCV
  • フェリチン
  • 血清鉄
  • 総鉄結合能や不飽和鉄結合能
  • 炎症反応

などを組み合わせて判断します。

「血清鉄が低かったから鉄欠乏」と、一つの項目だけで判断しないことが大切です。


女性の貧血では、月経の状態を確認します

月経のある女性では、毎月の出血によって鉄を失うため、鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。

特に、

  • 月経量が多い
  • 大きな血の塊が出る
  • 夜用ナプキンでも漏れる
  • 1~2時間ごとにナプキンを交換する
  • 月経が8日以上続く
  • 月経以外の出血がある
  • 月経痛が強い

という場合には、子宮筋腫、子宮腺筋症などの婦人科疾患が隠れている可能性があります。

鉄剤によって貧血が改善しても、出血の原因が続いていれば、薬を中止すると再び貧血になることがあります。

過多月経が疑われる場合には、婦人科での評価も大切です。


成人男性と閉経後の女性は、消化管出血に注意

成人男性や閉経後の女性では、月経による出血がありません。

そのため、鉄欠乏性貧血が見つかった場合には、胃や腸から少しずつ出血していないか確認する必要があります。

消化管出血の原因には、

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃炎
  • 大腸ポリープ
  • 炎症性腸疾患
  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 痛み止めなどの薬による粘膜障害

などがあります。

便が黒くなったり、血便が出たりするとは限りません。

目で見ても分からない少量の出血が長く続き、健診の貧血から病気が見つかる場合もあります。

成人男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血が見つかった場合は、鉄剤を飲むだけで終わらせず、消化管の検査が必要か検討します。


鉄不足以外でも貧血は起こります

貧血の原因は、鉄不足だけではありません。

腎臓病

腎臓では、赤血球を作るよう骨髄へ指令を出す「エリスロポエチン」というホルモンが作られています。

腎機能が低下すると、このホルモンが不足し、腎性貧血を起こすことがあります。

慢性炎症や慢性疾患

感染症、自己免疫疾患、がんなどによる慢性的な炎症があると、体内に鉄があっても赤血球を十分に作れないことがあります。

ビタミンB12・葉酸不足

ビタミンB12や葉酸が不足すると、赤血球が正常に作られず、MCVが大きくなるタイプの貧血を起こすことがあります。

胃の手術後、偏った食事、過度の飲酒、吸収障害、一部の薬剤などが関係する場合があります。

出血

消化管出血、婦人科出血、鼻出血、外傷などによって血液を失うと、貧血になります。

血液の病気

骨髄の病気や、赤血球が通常より早く壊れる溶血などによって、貧血が起こる場合もあります。

白血球や血小板にも異常がある場合には、血液内科での専門的な評価が必要になることがあります。


貧血と「立ちくらみ」は同じではありません

立ち上がったときに目の前が暗くなる症状を、一般に「貧血」と表現することがあります。

しかし、立ちくらみの原因は、急に血圧が低下する起立性低血圧や脱水などであることも少なくありません。

反対に、血液検査で貧血があっても、立ちくらみがない方もいます。

貧血かどうかは、症状だけでは判断できません。

血液検査でヘモグロビンなどを確認する必要があります。


自己判断で鉄のサプリメントを飲んでもよいですか?

鉄欠乏が確認されている場合には、食事の改善や鉄剤による治療が必要になることがあります。

しかし、原因を確認しないまま鉄のサプリメントを飲み続けることはお勧めできません。

理由は、

  • 鉄不足ではない貧血には効果がない
  • 胃腸障害や便秘が起こることがある
  • 胃や腸からの出血を見逃す可能性がある
  • 貧血の一時的な改善によって、原因疾患の発見が遅れることがある
  • 不必要な鉄の摂取が体に負担となる場合がある

ためです。

まず貧血の種類と原因を確認し、必要な量と期間を決めることが大切です。


貧血の再検査では何を調べますか?

当院では、健診結果、症状、月経の状態、持病、服用している薬などを確認し、必要な検査をご提案します。

状態に応じて、

  • 血算
  • ヘモグロビン
  • MCVなどの赤血球指数
  • 網状赤血球
  • フェリチン
  • 血清鉄
  • 総鉄結合能・不飽和鉄結合能
  • 腎機能
  • 肝機能
  • 炎症反応
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • 甲状腺機能
  • 便潜血検査

などを検討します。

すべての検査を一度に行うわけではありません。

健診結果と診察所見から、必要な項目を選びます。

婦人科疾患、消化管疾患、血液疾患などが疑われる場合には、それぞれの専門医療機関へご紹介します。


鉄剤を飲めば、すぐに治りますか?

鉄欠乏性貧血であれば、鉄剤によってヘモグロビンは徐々に改善します。

ただし、ヘモグロビンが正常になっても、体内に蓄えられた鉄が十分に回復していないことがあります。

そのため、数値が正常になった直後に鉄剤を中止すると、再び貧血になることがあります。

治療中は、

  • ヘモグロビンが改善しているか
  • フェリチンが回復しているか
  • 出血の原因が続いていないか
  • 鉄剤による副作用がないか

を確認します。

また、鉄剤を飲んでも改善しない場合には、診断が合っているか、薬を十分に吸収できているか、出血が続いていないかなどを見直します。


早めに受診していただきたい症状

次のような症状がある場合には、健診後の再検査を先延ばしにせず、早めにご相談ください。

  • 階段や歩行で強く息切れする
  • 動悸が続く
  • めまいやふらつきが強い
  • 失神した
  • 胸が痛い
  • 安静にしていても息苦しい
  • 黒い便が出た
  • 血便が出た
  • 吐血した
  • 月経量が非常に多い
  • 貧血の数値が以前より急に悪化した
  • 体重減少や食欲低下がある
  • 発熱が続いている
  • 白血球や血小板にも異常がある

強い息苦しさ、胸痛、失神、大量の出血などがある場合には、救急受診が必要です。


「昔から貧血だから」と放置しないでください

貧血を指摘されるたびに、

「体質だから」

「女性だから仕方がない」

と、そのままにしている方がいます。

しかし、毎年貧血を指摘されるのであれば、毎年何らかの理由で血液が失われている、または十分に作れていない可能性があります。

鉄剤で数値を上げることだけが治療の目的ではありません。

貧血を起こしている原因を見つけ、必要な治療につなげることが大切です。


健診結果をご持参のうえ、ご相談ください

新宿イーストサイドたけうち内科では、ヘモグロビンの数値だけでなく、赤血球の大きさ、鉄の蓄え、腎機能、肝機能、炎症反応などを確認し、貧血の原因を評価します。

「健診で貧血のため要再検査になった」

「以前から鉄剤を飲んでいるが、原因を調べたことがない」

「鉄剤をやめると、また貧血になる」

「成人男性なのに鉄欠乏性貧血と言われた」

という方もご相談ください。

当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。


新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保


健診の貧血・ヘモグロビン低値のご相談

当院を初めて受診される方もご予約いただけます。

健診結果、過去の血液検査、お薬手帳をお持ちの方は、受診時にご持参ください。

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参考

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