予防接種・ワクチンシリーズ
インフルエンザワクチンは注射と鼻、どちらを選ぶ?|不活化ワクチンとフルミストの違い
10月からインフルエンザワクチン接種が始まります
今年も10月から、インフルエンザワクチンの接種が始まります。
当院では、従来から使用されている注射のインフルエンザワクチンに加えて、鼻の中へ噴霧する経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」を接種できます。
フルミストについて、
「注射よりも効果が高いのでしょうか?」
「本当に痛くないのですか?」
「大人も接種できますか?」
「注射とフルミストのどちらを選べばよいですか?」
という質問をいただくことがあります。
注射とフルミストは、投与方法が違うだけではありません。
使用するワクチンの種類、対象年齢、接種回数、接種できない方などにも違いがあります。
それぞれの特徴を知り、年齢や体調に合ったワクチンを選ぶことが大切です。
従来の注射は「不活化ワクチン」です
一般的な注射のインフルエンザワクチンは、不活化ワクチンです。
感染力をなくしたウイルスの成分を利用して、インフルエンザに対する免疫をつけます。
皮膚の下へ注射するため、接種時には針を刺す痛みがあります。
生後6か月以上の幅広い年齢の方に使用でき、成人、高齢者、基礎疾患のある方にも広く接種されてきた実績があります。
接種回数は一般に、
- 生後6か月以上13歳未満:2回
- 13歳以上:1回
です。
年齢や過去の接種歴、健康状態などによって判断が異なる場合があります。
フルミストは、鼻から接種する「弱毒生ワクチン」です
フルミストは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻の中へ噴霧するワクチンです。
左右の鼻へ0.1mLずつ、合計0.2mLを噴霧します。
注射針を使わないため、注射の痛みはありません。
日本での対象年齢は、
2歳以上19歳未満、つまり2歳から18歳まで
です。
接種回数は、年齢にかかわらず1シーズンに1回です。
「注射が怖い」
「毎年の予防接種を嫌がる」
「2回の注射を受けることが難しい」
というお子さんにとって、有力な選択肢になります。
一方で、フルミストは生ワクチンであるため、年齢や健康状態によっては接種できない場合があります。
注射とフルミストの違い
| 注射の不活化ワクチン | 経鼻ワクチン・フルミスト | |
|---|---|---|
| 接種方法 | 皮下へ注射 | 左右の鼻へ噴霧 |
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 弱毒生ワクチン |
| 日本での対象年齢 | 生後6か月以上 | 2歳以上19歳未満 |
| 接種回数 | 13歳未満は原則2回、13歳以上は原則1回 | 年齢にかかわらず1回 |
| 接種時の痛み | 針を刺す痛みがある | 注射針を使用しない |
| 接種後に起こりやすい症状 | 注射部位の痛み、腫れ、発熱、だるさなど | 鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、発熱など |
| 妊娠中 | 状態を確認して接種を検討できる | 接種できない |
| 免疫機能が低下している方 | 状態を確認して検討 | 接種できない場合がある |
フルミストは本当に痛くないのでしょうか?
フルミストは注射針を使わないため、針を刺す痛みはありません。
左右の鼻にワクチンを噴霧して接種します。
ただし、鼻の中へ液体を噴霧するため、一瞬違和感を覚えたり、くしゃみが出たりすることがあります。
泣いてしまった場合や、接種後に鼻水が出た場合でも、通常は追加接種を行いません。
「まったく何も感じない」とは限りませんが、注射の痛みが苦手なお子さんには大きな利点があります。
フルミストの接種後に起こることがある症状
フルミストの接種後には、次のような症状が現れることがあります。
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
- 咳
- のどの痛み
- 発熱
- 頭痛
- だるさ
フルミストは鼻の粘膜で免疫反応を起こすため、風邪に似た症状が現れることがあります。
多くは一時的ですが、高熱、強い喘鳴、呼吸困難、全身のじんましんなどが現れた場合には、医療機関へご相談ください。
また、接種後一定期間は、フルミストに由来するワクチンウイルスの影響によって、インフルエンザ迅速検査が陽性になる可能性があります。
接種後に発熱などで医療機関を受診する場合には、フルミストを接種した日を医師へお伝えください。
フルミストを接種できない、または慎重な判断が必要な方
フルミストは、すべてのお子さんに接種できるわけではありません。
特に次のような方は、注射の不活化ワクチンを選ぶか、接種前に医師へご相談ください。
- 2歳未満または19歳以上の方
- 妊娠している方
- 免疫機能が低下している方
- 免疫を抑える治療を受けている方
- 重い喘息や喘鳴のある方
- ゼラチンを含む成分で重いアレルギー反応を起こしたことがある方
- アスピリンやサリチル酸系薬剤を服用しているお子さん
- 鼻づまりが強い方
- 周囲に重度の免疫不全状態の方がいる場合
- 最近、抗インフルエンザ薬を使用した方
該当するから必ず接種できないとは限らない項目もあります。
現在の病気、服用している薬、過去のワクチン接種後の症状などを確認し、安全に接種できるか判断します。
喘息がある場合、フルミストを選べますか?
喘息があるという理由だけで、一律にフルミストを接種できないわけではありません。
ただし、フルミスト接種後に喘鳴が起こる可能性があるため、喘息の状態によっては注射の不活化ワクチンが適している場合があります。
特に、
- 最近、喘息発作があった
- 喘鳴を繰り返している
- 喘息のコントロールが不安定
- 吸入治療を強化したばかり
という場合には、事前の診察が重要です。
当院では、喘息の治療状況も確認したうえで、どちらのワクチンが適しているかをご提案します。
どちらのワクチンの方が効果は高いのでしょうか?
「フルミストの方が注射よりも強い」
「注射より長く効く」
といった情報を見かけることがあります。
しかし、どちらか一方が、すべての年齢、すべての流行株、すべての健康状態において常に優れているとは言い切れません。
インフルエンザワクチンの効果は、その年に流行するウイルスとワクチン株の一致、年齢、免疫状態などにも左右されます。
日本小児科学会は、2歳以上19歳未満の健康な小児について、不活化ワクチンと経鼻弱毒生ワクチンのいずれも選択肢としています。
大切なのは、単純に「新しい方」「痛くない方」を選ぶことではありません。
年齢、基礎疾患、注射への恐怖、過去の接種状況などを考えて、その方に合う方法を選ぶことです。
フルミストが向いている可能性がある方
次のような方では、フルミストが選択肢になります。
- 2歳から18歳までの方
- 注射を非常に怖がる方
- 注射時に強く緊張してしまう方
- 13歳未満で、2回の注射を受けることが難しい方
- 基礎疾患がなく、健康状態が安定している方
ただし、強い鼻づまりがある場合や、喘息などの持病がある場合には、注射をお勧めすることもあります。
注射のワクチンが向いている可能性がある方
次のような方では、従来の注射による不活化ワクチンが基本的な選択になります。
- 生後6か月以上2歳未満のお子さん
- 19歳以上の方
- 成人、高齢者
- 妊娠中の方
- 免疫機能が低下している方
- 免疫を抑える治療を受けている方
- 喘息の状態が不安定な方
- 鼻づまりが強い方
- 生ワクチンを避ける必要がある方
注射の痛みはありますが、幅広い年齢と健康状態の方に接種できることが大きな特徴です。
ワクチンを接種すれば、インフルエンザにかからないのでしょうか?
インフルエンザワクチンを接種しても、感染を完全に防げるわけではありません。
しかし、発症する可能性を下げ、発症した場合の重症化を予防することが期待されます。
特に、
- 高齢者
- 幼いお子さん
- 喘息などの呼吸器疾患がある方
- 心臓病、糖尿病、腎臓病などの持病がある方
- 妊娠中の方
では、インフルエンザによって肺炎や持病の悪化を起こすことがあります。
ワクチン接種に加えて、手洗い、換気、体調不良時の休養なども大切です。
ご家族で接種方法が異なっても問題ありません
「兄はフルミスト、妹は注射」
「子どもはフルミスト、保護者は注射」
という選び方も可能です。
ご家族全員が、同じ種類のワクチンを選ぶ必要はありません。
それぞれの年齢、健康状態、注射への抵抗感などに合わせて選びます。
フルミストは対象年齢が限られ、在庫にも限りがあります。
ご希望の場合には、早めのご予約をご検討ください。
東新宿でインフルエンザワクチンを接種したい方へ
新宿イーストサイドたけうち内科では、2026年10月から、
- 注射による不活化インフルエンザワクチン
- 経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」
の接種を行います。
「子どもが注射を怖がっている」
「フルミストを接種できるか知りたい」
「喘息があるが、どちらを選べばよいか迷っている」
という方もご相談ください。
接種前に年齢、体調、持病、服用中の薬などを確認し、適切なワクチンをご提案します。
当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。
接種開始日、予約方法、接種費用などの詳細は、改めて当院ホームページでお知らせします。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保
インフルエンザワクチンのご予約
通常の注射とフルミストでは、対象年齢や予約枠が異なります。












