階段や坂道で胸が締め付けられる|休むと治る胸の痛みは狭心症?【新宿・東新宿】
階段や坂道で胸が締め付けられる|休むと治る胸の痛みは狭心症?【新宿・東新宿】
「駅の階段を上ると、胸の真ん中がギュッと締め付けられる」
「坂道を急いで歩くと胸が重くなる。でも、立ち止まると数分で楽になる」
「毎回ではないし、休めば治るので、受診するほどではないと思っていた」
胸の症状が診察室に着くころには消えていると、「もう治ったのだから大丈夫」と思うかもしれません。
しかし、私が胸痛の診察で重視するのは、何をしたときに症状が出て、何をすると治まったかです。階段や坂道で胸が締め付けられ、立ち止まると治まる。その経過自体が、狭心症を疑う手がかりになります。
今、胸の締め付けや圧迫感が休んでも治まらない、突然の激しい胸痛がある、胸の症状に冷や汗や強い息苦しさを伴う場合は、予約を待たず、すぐに119番へ連絡してください。
なぜ、階段を上ると胸が苦しくなり、休むと治るのでしょうか?
階段や坂道を上ると、心臓は全身により多くの血液を送り出します。そのため、心臓の筋肉自体も、普段より多くの酸素を必要とします。
心臓に血液を送る「冠動脈」が狭くなっていると、安静時には足りていた血流が、体を動かしたときには足りなくなることがあります。その結果、胸の締め付けや圧迫感が出ます。立ち止まって心臓の負担が減ると、症状が治まることがあります。これが労作性狭心症の典型的な経過です。
つまり、休むと治ることは、心臓が原因ではないという証拠にはなりません。 動いたときに出て、休むと治まるという組み合わせに意味があります。
「胸が痛い」より、「重い」「押される」と感じることもあります
「痛みというほどではないけれど、胸の奥が重い」とお話しになる方もいます。
- 胸の真ん中が押される
- 胸に重いものが乗ったように感じる
- 胸から肩や腕、あごにかけて違和感が広がる
- 以前は平気だった階段で、胸が苦しくなって立ち止まる
こうした症状も、診察で確認したい情報です。逆に、体をひねる、深呼吸をする、胸の一部を押すといった動作で痛みが変わる場合は、肺や胸膜、肋骨や筋肉など、別の原因も考えます。食事や横になる姿勢との関係があれば、食道の病気も候補になります。
ただし、痛みの場所や感じ方だけで、心臓の病気を除外することはできません。 症状が出た状況とその後の経過を合わせて判断します。
前より軽い動きで症状が出るようになったら
特に見逃したくないのは、これまでと比べて症状の出方が変わったときです。
「前は坂道だけだったのに、最近は平らな道でも胸が苦しい」
「以前は立ち止まるとすぐ治ったのに、最近は長引く」
「動いたときだけだったのに、座っているときにも出た」
こうした変化がある場合は、いったん治まっていても、後日の予約まで待たず、その日のうちに医療機関へ相談してください。 症状が今も続いている場合や、冷や汗、強い息苦しさなどを伴う場合は、すぐに119番へ連絡してください。自分で運転して受診しないでください。
症状が変わっていなくても、階段や坂道で胸の締め付けを繰り返す方は、次の健診まで待たず、早めにご相談ください。
心電図が正常でも、狭心症は否定できません
健診や別の受診で「心電図は正常でした」と言われた方もいらっしゃいます。
安静時の心電図は、そのときの心臓の電気的な活動を記録する検査です。階段を上ったときだけ心臓の血流が不足し、検査時には症状が治まっていれば、安静時の心電図に異常が出ないことがあります。
私は、心電図が正常でも、「いつも同じ坂道で出る」「立ち止まると数分で治まる」「最近は軽い動作でも出る」といった経過があれば、その情報を重視します。検査が正常だったことと、症状の原因が分かったことは別です。
診察で冠動脈の評価が必要と判断した場合は、症状の経過や緊急性に応じて、冠動脈CTなどの詳しい検査や治療につなげます。胸部レントゲンは肺などの原因を考えるときに役立ちますが、レントゲンで異常がないからといって狭心症を否定できるわけではありません。
胸痛外来で、私が最初にお聞きすること
胸痛で来院された方には、病名を当てはめる前に、症状が出た場面を具体的にお聞きします。
- 何をしていたか:階段、坂道、早歩き、食後、安静時など
- どんな症状だったか:締め付け、重さ、刺す痛み、息苦しさなど
- どのくらい続いたか:立ち止まって何分くらいで治まったか
- 以前との違い:頻度が増えたか、軽い動作でも出るようになったか
「新宿駅で乗り換えを急いだとき、階段の途中で胸が締め付けられ、踊り場で休んだら治まった」。このような、普段の生活の中で起きたことが診断の手がかりになります。分かる範囲で結構です。症状を確かめるために、わざと階段を上ったり、運動したりする必要はありません。
また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴、心臓病の家族歴なども確認します。昨日のブログでは健診の血糖やHbA1cを取り上げましたが、こうした健診結果は、胸の症状を診るときにも役立ちます。
新宿・東新宿で、原因が分からない胸の症状は当院へ
胸が締め付けられるとき、「循環器に行くべきか、呼吸器に行くべきか」と迷う方もいらっしゃいます。原因が分からない段階で、患者さんご自身が診療科を決めるのは難しいものです。
私は、胸部外科、心臓血管外科、呼吸器外科、救命救急での診療経験をもとに、まず緊急性を判断し、心臓・肺・食道・胸の骨や筋肉などを視野に入れて診察します。当院では、必要に応じて心電図や胸部レントゲンを行い、さらに詳しい検査や治療が必要な場合は、連携先へつなぎます。
「階段を上ると胸が締め付けられる。でも休めば治る」。その経過を、ぜひ診察でお聞かせください。 初めての方もご相談いただけます。お薬手帳や過去の心電図、健診結果があればお持ちください。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内 惠理保
東新宿駅A3出口直結・新宿イーストサイドスクエア地下1階
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参考資料
カテゴリー : ブログ
投稿日 :2026年11月5日