生活習慣病シリーズ 糖尿病の検査はHbA1cだけで十分?|尿アルブミンと腎機能も確認しましょう
生活習慣病シリーズ
糖尿病の検査はHbA1cだけで十分?|尿アルブミンと腎機能も確認しましょう
血糖値だけでなく、腎臓の状態も確認していますか?
糖尿病で通院していると、
「HbA1cはいくつでしたか?」
「前回より下がりましたか?」
と、血糖値やHbA1cに目が向くと思います。
もちろん、血糖管理は大切です。
しかし、糖尿病の治療は、HbA1cの数字を下げるだけで終わるものではありません。
将来の目、腎臓、神経、心臓、血管を守り、自分らしい生活を続けることが治療の目的です。
今回は、腎臓を守るために確認しておきたい検査についてお話しします。
腎臓の変化は、症状が出る前に見つけたい
腎臓は、血液から老廃物を取り除き、体の水分や電解質のバランスを調整しています。
糖尿病に伴う腎臓の障害は、初期には自覚症状がほとんどありません。
「尿は普通に出ている」
「むくみもない」
「体調は悪くない」
という状態でも、検査で変化が見つかることがあります。
尿が出ていることと、腎臓の働きが十分に保たれていることは、同じではありません。
症状が出るまで待たず、定期的な検査で早めに変化を捉えることが大切です。
腎臓は、血液検査と尿検査の両方で評価します
血液検査:クレアチニン・eGFR
クレアチニンは、腎臓の働きを評価するために使う血液検査の項目です。
クレアチニンなどから算出するeGFRは、腎臓が血液をろ過する能力の目安になります。
一度の数値だけでなく、過去の結果と比べ、どのように変化しているかを確認します。
尿検査:尿蛋白・尿アルブミン
尿検査では、血液中の蛋白が尿へ漏れ出ていないかを調べます。
特に糖尿病では、尿アルブミン検査が重要です。
これは、尿中に漏れ出る少量のアルブミンを測定する検査です。
血液検査で腎臓のろ過能力を確認し、尿検査で蛋白の漏れを確認する。この二つを組み合わせて、腎臓の状態を評価します。
当院では、尿アルブミンを3か月ごとに測定しています
当院では、糖尿病で通院されている方の尿アルブミンを、3か月ごとに測定しています。
血糖値・HbA1cだけでなく、尿アルブミンと腎機能の経過も確認し、将来の腎臓を守るための治療につなげています。
大切なのは、検査を一度受けて終わりにしないことです。
「前回と比べて増えていないか」
「治療後に改善しているか」
「eGFRの低下が進んでいないか」
を継続して確認します。
尿アルブミンの変化は、腎機能低下のリスクや治療効果を評価するための重要な情報です。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024・糖尿病性腎症」
健診の尿蛋白が陰性でも、十分とは限りません
健康診断などで行う一般的な尿蛋白検査と、尿アルブミン検査は、同じものではありません。
尿アルブミン検査では、通常の尿蛋白検査では捉えにくい、少量のアルブミンの漏れを確認できることがあります。
そのため、
「健診では尿蛋白が陰性だった」
という方でも、糖尿病の管理では尿アルブミンを確認する意味があります。
一方、尿アルブミンが増えていなくても、腎機能が低下する場合があります。
尿検査が正常だから血液検査は不要、血液検査が正常だから尿検査は不要、とは言い切れません。
尿アルブミンとeGFRの両方を確認することが大切です。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024・糖尿病性腎症」
尿アルブミンが高いと、透析になるのでしょうか?
尿アルブミンが高いからといって、必ず透析が必要になるわけではありません。
ただし、腎臓の変化を示すサインとして、見過ごさないことが大切です。
また、尿の数値は、激しい運動、発熱、尿路感染などによって、一時的に変化することがあります。
一度の異常だけで結論を出さず、採尿時の状況を確認し、必要に応じて再検査します。
持続する異常がある場合には、原因と腎機能を確認し、治療方針を見直します。
腎臓を守ることも考えて、薬を選びます
糖尿病の薬は、血糖値を下げる効果だけで選ぶものではありません。
腎機能、尿アルブミン、心臓病の有無、年齢、副作用のリスクなどを確認し、その方に合った治療を考えます。
病状によっては、SGLT2阻害薬など、腎機能低下の抑制が期待できる薬を検討します。
また、高血圧やアルブミン尿がある方では、ACE阻害薬・ARBなどの降圧薬が適している場合があります。
すべての方に同じ薬が必要なわけではありません。検査結果をもとに、適応と安全性を確認して選びます。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024・糖尿病性腎症」
血圧や生活習慣の管理も大切です
腎臓を守るためには、薬だけでなく、日々の管理も重要です。
- 血糖値と血圧を適切に管理する
- 塩分のとりすぎを控える
- 禁煙する
- 体調に合った運動を続ける
- 市販薬やサプリメントの使用を医師に伝える
- 定期的に血液検査と尿検査を受ける
腎臓が心配だからと、自己判断で極端な食事制限をする必要はありません。
特に蛋白質の制限は、腎機能や年齢、栄養状態によって考え方が異なります。必要な場合は、医師や管理栄養士と相談して進めます。
検査の目的は、将来の生活を守ることです
私は、糖尿病の診療では、
「今回のHbA1cはいくつだったか」
だけでなく、
「将来も、自分らしい生活を続けられるか」
という視点が大切だと考えています。
検査をすること自体が目的ではありません。
小さな変化を早めに見つけ、必要な対策をとる。その積み重ねが、将来の腎臓と生活を守ることにつながります。
透析が必要になるリスクを少しでも減らすためにも、血糖値だけでなく、尿アルブミンと腎機能の経過を一緒に確認していきましょう。
糖尿病と腎臓の検査について、ご相談ください
「HbA1cは確認しているけれど、腎臓の状態はよく分からない」
「尿アルブミンを調べたことがあるか分からない」
「健診で尿蛋白や腎機能の異常を指摘された」
「今の治療で腎臓を守れているか相談したい」
という方は、健診結果、過去の血液・尿検査、お薬手帳をご持参ください。
新宿イーストサイドたけうち内科では、血糖値・HbA1cだけでなく、腎機能、尿アルブミン、血圧などを確認し、一人ひとりに合った治療方針をご提案します。
必要に応じて、腎臓専門医とも連携します。
当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。
糖尿病の治療は、数字を下げるためだけではありません。将来の腎臓と、自分らしい生活を守るための治療です。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保
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カテゴリー : ブログ
投稿日 :2026年9月16日