糖尿病・生活習慣病シリーズ 連休中に食べすぎた|血糖値やHbA1cはどのくらい影響しますか?
糖尿病・生活習慣病シリーズ
連休中に食べすぎた|血糖値やHbA1cはどのくらい影響しますか?
シルバーウイークも今日が最終日です
旅行へ出かけた方、ご家族や友人と食事を楽しんだ方、自宅でゆっくり過ごした方など、それぞれの連休を過ごされたことと思います。
連休明けの診察では、
「連休中に食べすぎてしまいました」
「お酒もかなり飲みました」
「体重が増えてしまい、次の採血が心配です」
「せっかく下がっていたHbA1cが、また悪くなってしまうでしょうか?」
というお話を伺うことがあります。
結論から申し上げると、数日間食べすぎたからといって、それまで続けてきた努力がすべて無駄になるわけではありません。
大切なのは、食べすぎたことを後悔し続けることではなく、連休が終わったところで、いつもの生活へ戻すことです。
血糖値とHbA1cは、同じものではありません
血糖値は、採血したその時点の血液中のブドウ糖濃度です。
そのため、
- 直前に何を食べたか
- 食後どのくらい時間が経っているか
- 運動したか
- 睡眠不足があるか
- 発熱や感染症があるか
- 強いストレスがあるか
などによって変動します。
連休中に、甘いもの、麺類、ご飯、パン、お酒などが増えれば、食後の血糖値が普段より高くなることがあります。
一方、HbA1cは、主に過去1~2か月程度の平均的な血糖状態を反映する検査です。
前日に食べすぎたからといって、翌日のHbA1cが突然大きく上昇するわけではありません。
ただし、連休中の食生活をそのまま何週間も続ければ、やがてHbA1cにも影響が現れます。
数日間の食べすぎより、その後の生活が大切です
糖尿病の管理で大切なのは、1回の食事や数日間だけを見て一喜一憂することではありません。
連休中に食事を楽しむこと自体が、直ちに悪いわけではありません。
問題になるのは、
- 連休中に増えた食事量が、その後も戻らない
- 毎晩お酒を飲む習慣が続く
- 夜遅い時間の食事が定着する
- 間食が増えたままになる
- 運動量が減った状態が続く
- 薬を飲み忘れる日が増える
といった変化が、そのまま日常生活になってしまうことです。
連休中に少し食べすぎても、連休明けから元の生活へ戻せればよいのです。
明日から生活を戻す5つのポイント
特別な断食や、極端な糖質制限を始める必要はありません。
まずは次の5つを意識してみてください。
1.食事の時間を戻す
朝食を抜いて帳尻を合わせようとすると、その後の食事量が増えることがあります。
できる範囲で、朝・昼・夕の食事時間を普段のリズムへ戻しましょう。
2.食事量を普段の量へ戻す
食べすぎた分を一度に取り戻そうとして、極端に食事を減らす必要はありません。
ご飯、麺、パンなどの量を確認し、連休前の食事量へ戻すことから始めます。
3.間食と甘い飲み物を見直す
お菓子、ジュース、加糖コーヒー、スポーツドリンクなどは、気づかないうちに糖質摂取量を増やします。
連休中に増えていた場合は、まず飲み物と間食から元に戻しましょう。
4.無理のない範囲で体を動かす
食後の散歩など、軽い有酸素運動は食後血糖の改善に役立ちます。
いきなり激しい運動を始めるよりも、普段の通勤や買い物、階段、散歩などを利用して、少しずつ活動量を戻す方が続けやすいと思います。
ただし、インスリンや一部の血糖降下薬を使用している方は、運動によって低血糖を起こすことがあります。自己判断で急に運動量を増やさず、低血糖対策も忘れないでください。
5.薬を通常どおり再開・継続する
食べすぎたからといって、薬を勝手に増やしてはいけません。
反対に、食事を減らしたからという理由で、薬を自己判断で中止することも危険です。
飲み忘れがあった場合も、まとめて服用せず、薬ごとの対応を確認してください。
食べすぎた翌日の「何も食べない」はお勧めしません
食べすぎた翌日に、
「今日は何も食べない」
「糖質を完全に抜く」
「長時間運動して全部消費する」
という極端な調整をする方がいます。
しかし、極端な食事制限は空腹を強くし、その後の反動による過食につながることがあります。
また、インスリン、SU薬、グリニド薬などを使用している方では、食事を抜くことで低血糖を起こす危険があります。
食べすぎた後に必要なのは、罰を与えるような食事制限ではありません。
次の食事から、普段の食事へ戻すことが最も大切です。
血糖値が高いとき、薬を自分で増やしてもよいですか?
血糖値がいつもより高くても、糖尿病の薬を自己判断で増量しないでください。
血糖値は、食事だけでなく、感染症、睡眠不足、ストレス、脱水、ステロイド薬などの影響でも上昇します。
原因を確認せずに薬を増やすと、後から低血糖を起こすことがあります。
血糖測定をしている方は、1回の数値だけではなく、
- 起床時
- 食前
- 食後
- 就寝前
- 何を食べたか
- 薬を飲んだか
などを記録しておくと、診察時の判断に役立ちます。
早めに受診した方がよい場合
次のような場合は、次回の定期受診まで待たず、ご相談ください。
- 高い血糖値が繰り返し続く
- 強い口渇がある
- 水分をたくさん飲む
- 尿の回数や量が増えた
- 急に体重が減った
- 強い倦怠感がある
- 吐き気や腹痛がある
- 薬の飲み忘れが続いている
- インスリンの調整方法が分からない
特に、強い吐き気、嘔吐、腹痛、息苦しさ、意識がぼんやりするなどの症状がある場合には、早急な診察が必要です。
健診で血糖値やHbA1cが高かった方へ
糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。
「連休中に食べすぎたから高かっただけ」
「前日に甘いものを食べたせいだろう」
と思っても、HbA1cが高い場合は、連休中だけではなく、それ以前から血糖値が高かった可能性があります。
健診で、
- 血糖値が高い
- HbA1cが高い
- 糖尿病の疑い
- 要再検査
- 要精密検査
- 要治療
と指摘された方は、そのままにせず、一度ご相談ください。
連休を楽しんだ自分を責める必要はありません
糖尿病の管理は、毎日100点を取り続ける競争ではありません。
旅行、外食、お祝い、ご家族との食事など、人生には食事を楽しむ日もあります。
数日間食べすぎたとしても、それまでの努力がすべて消えるわけではありません。
大切なのは、
「もう駄目だ」と諦めることではなく、次の食事から元の生活へ戻すことです。
連休明けを、生活習慣を整え直す一つのきっかけにしてみましょう。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保
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カテゴリー : ブログ
投稿日 :2026年9月23日