健診で中性脂肪が高い|お酒を飲まないのに、なぜ上がるのでしょうか?
生活習慣病シリーズ
健診で中性脂肪が高い|お酒を飲まないのに、なぜ上がるのでしょうか?
「お酒を飲まないのに、中性脂肪が高いと言われました」
健康診断で中性脂肪が高いと指摘されると、
「お酒はほとんど飲まないのに、どうしてでしょうか?」
「前日に食べ過ぎたからですか?」
「最近、お腹まわりが少しポニョっとしてきたのが原因でしょうか?」
と聞かれることがあります。
中性脂肪が高くなる原因として、飲酒はよく知られています。
しかし実際には、お酒をまったく飲まない方でも、食べ過ぎ、体重増加、内臓脂肪、糖質の取り過ぎなどによって中性脂肪は上昇します。
中性脂肪は、体に必要なエネルギー源です
中性脂肪は、医学的にはトリグリセライド、略して「TG」と呼ばれます。
中性脂肪そのものが、体にとって不要なものというわけではありません。
食事から得たエネルギーを体内に蓄え、必要なときに使うための大切な役割があります。
問題になるのは、食事から取るエネルギーが、仕事や運動などで消費するエネルギーを上回る状態が続くことです。
使い切れなかったエネルギーは、中性脂肪として肝臓や脂肪組織に蓄えられます。
脂っこいものだけが原因ではありません
「中性脂肪」という名前から、
「揚げ物や肉の脂を食べたから高くなった」
と思われがちです。
しかし、中性脂肪を上げるのは脂っこい食事だけではありません。
特に注意したいのは、
- ご飯や麺類を多く食べる
- パンや菓子類を頻繁に食べる
- 甘い飲み物を飲む
- 果物をたくさん食べる
- 夜遅い時間に食事をする
- 間食が多い
- 食事量に対して運動量が少ない
といった生活です。
余った糖質は、体内で中性脂肪へ作り替えられます。
「脂っこいものは控えているから大丈夫」と思っていても、ご飯、麺、パン、お菓子、甘い飲み物などが多ければ、中性脂肪が上がることがあります。
体重が少し増えただけでも、中性脂肪は変化します
若い頃と食事量が変わっていなくても、年齢とともに筋肉量や活動量が減ると、消費するエネルギーも少なくなります。
そのため、
「食べる量は以前と同じなのに、少しずつ太ってきた」
ということが起こります。
特に、お腹の内側にたまる内臓脂肪は、
- 中性脂肪の上昇
- HDLコレステロールの低下
- 血糖値の上昇
- 血圧の上昇
- 脂肪肝
などと関係します。
体重が数kg増えた、お腹まわりがきつくなったという変化は、単なる見た目の問題ではありません。
体の代謝が変わってきたサインである可能性があります。
前日の食事だけで高くなることもあります
中性脂肪は、LDLコレステロールなどと比べて食事の影響を受けやすい検査です。
健診前に食事をした場合や、前日の夜に多く食べた場合には、普段より高くなることがあります。
日本動脈硬化学会の基準では、
- 空腹時中性脂肪:150mg/dL以上
- 随時中性脂肪:175mg/dL以上
が脂質異常症の診断基準です。
したがって、食後に採血したからといって、すべての高値を「食事の影響だけ」として無視することはできません。
採血時刻や最後に食事をした時間を確認し、必要に応じて空腹時に再検査します。
お酒を飲まない方では、別の病気が隠れていることもあります
中性脂肪が高くなる原因は、食べ過ぎや運動不足だけではありません。
- 糖尿病
- 甲状腺機能低下症
- 慢性腎臓病
- ネフローゼ症候群
- 肥満
- 妊娠
- 遺伝的な脂質異常症
- 一部の薬剤
などが原因になることもあります。
そのため、中性脂肪だけをもう一度測定して終わりにするのではなく、
- 血糖値
- HbA1c
- LDL・HDLコレステロール
- 肝機能
- 腎機能
- 甲状腺機能
- 体重や腹囲
- 服用している薬
などを合わせて確認することが大切です。
中性脂肪が高くても、自覚症状はほとんどありません
中性脂肪が高くても、通常は痛みや息苦しさなどの症状はありません。
しかし、長期間放置すると、ほかの生活習慣病と重なって動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
また、空腹時中性脂肪が500mg/dL以上の著しい高値では、急性膵炎の危険性にも注意が必要です。
「症状がないから大丈夫」
「前日に食べ過ぎただけだろう」
と決めつけず、一度は原因を確認しましょう。
まず見直したいのは、「脂」だけではなく食事全体です
中性脂肪を改善するために、最初から極端な食事制限をする必要はありません。
まずは、
- 大盛りを普通盛りに変える
- 麺とご飯を一緒に食べない
- 甘い飲み物を水やお茶に変える
- 菓子類や夜食の回数を減らす
- 野菜、海藻、きのこ、魚を取り入れる
- 夜遅い食事は量を控える
- 体重を定期的に測る
- 歩く時間を少し増やす
といった、続けられる改善から始めます。
中性脂肪は、食事や運動、体重の変化によって改善しやすい項目でもあります。
ただし、数値や背景によっては薬による治療が必要になることもあります。
健診結果の数字だけでは判断できません
同じ中性脂肪の数値でも、
- 空腹時だったか、食後だったか
- 一時的な上昇か、毎年高いのか
- LDLやHDLコレステロールはどうか
- 糖尿病や高血圧があるか
- 脂肪肝があるか
- 心筋梗塞や脳梗塞の既往があるか
によって、対応は異なります。
再検査をして正常であれば、食事の影響による一時的な上昇だった可能性があります。
一方、再検査でも高ければ、食生活、体重、内臓脂肪、糖尿病などを含めて原因を探す必要があります。
「少し太っただけ」と思わず、健診結果をご持参ください
お酒を飲まない方でも、中性脂肪は高くなります。
特に、
「最近、体重が増えた」
「お腹まわりが大きくなった」
「夜遅く食べることが多い」
「ご飯、麺、パン、甘いものが好き」
という方は、一度、生活習慣と代謝の状態を確認してみましょう。
新宿イーストサイドたけうち内科では、中性脂肪の数字だけでなく、血糖、肝臓、腎臓、甲状腺、体重、服薬内容などを確認し、原因に応じた治療方針をご提案します。
健診結果がお手元にある方は、そのままお持ちください。
当院は、東新宿駅A3出口直結、新宿イーストサイドスクエア地下1階にあります。
新宿イーストサイドたけうち内科
院長 竹内惠理保
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カテゴリー : ブログ
投稿日 :2026年9月29日